【試合レポート】サンウルブズ vs.チーターズ 埋まらないトップチームとの差は一体どこにあるのか


対チーターズ戦の画像 画像出典: サンウルブズ公式サイト
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サンウルブズ vs.チーターズ 試合結果

5月27日、南半球最高峰リーグのスーパーラグビーに参戦しているサンウルブズ(最下位の18位)と南アフリカのチーターズ(15位)の試合が東京にある秩父宮ラグビー場で行われた。 3月12日、アウェイの南アフリカで行われたチーターズとの第一戦では31ー38と善戦をしたこともあり、今期2勝目を期待していたファンも多かった。 しかし、結果としては7-47で完敗。 サンウルブズは通算成績を1勝11敗とした。

試合の流れ

前半、サンウルブズはキックを使ってエリアを確保しようとしたものの、思うように試合をコントロールすることができない。 逆に大柄の選手の突進から起点を作られ、2トライを許して0-14で折り返し。 後半、サンウルブズは巻き返しを図りたかったものの立ち上がりからトライを取られるなど、1対1でのディフェンスの甘さが露呈する。 後半だけで5トライを奪われ、結果は完敗。 サンウルブズの得点はロックのサム・ワイクスのトライと田村優のゴールの7点だけに終わり、課題を多く残した試合となった。

試合を振り返って課題を探る

たーじ
おっす!おーつき、この前のサンウルブズとチーターズの試合見た?
おーつき
おー見た見た!前回の試合が31対38で僅差やったから、今回はもしかしたら勝つんちゃうかな? って思ってただけに、この負け方はショックやったな
たーじ
ホームの秩父宮やし、俺も期待してたんやけど・・・。 チーターズに勝たれへんかったらなかなかしんどいで。去年のチーターズは18チーム中14位、今期も15位やしな。
おーつき
確かになぁ。でもサンウルブズとチーターズ、何でこんなに差が開いたんやと思う?
たーじ
そやなぁ、ちょっと試合を振り返りながら見てみようや!
おーつき
おう、そうしよ!

トライされたシーンで明らかになるディフェンスの甘さ!

今回の試合では、特にトライシーンでサンウルブズの甘いディフェンスが浮き彫りになった。 体格で明らかに劣っているサンウルブズが、パワーでもスピードでも優るスーパーラグビーの他チームからトライラインを守りきるのは想像以上に難しい。 しかし、ディフェンスを確実にしなければ勝てる試合も勝てない。 今回の試合がその悪い例であると言えるだろう。 では、シーンごとに課題となるポイントを見ていこう。

最も重要な場所に人がいない?ポイント周辺を死守しろ!

前半16分のトライ

まずは、前半16分頃にトライを取られたシチュエーションを見ていこう。 チーターズのスクラムハーフからパスをもらったFWの選手がポイントを作った後、そのボールをピックアップしたフランカーが甘く入ったサンウルブズのロックのサム・ワイクス選手のタックルを押し切り、そのままトライを奪った。 このトライの前のポイント周辺を見ると、チーターズのフランカーが突進してきたサイド、そこで最もポイントに近いサンウルブズの選手はスクラムハーフの田中史朗だ。 恐らくサンウルブズのFWの選手のポイントへの寄りが遅く、やむを得ずディフェンスに入ったのだろう。 本来であれば、体格の大きなFW選手がボールをピックアップして突進してくる可能性が高い場所に、体が最小の田中を立たせるということはあってはならない。 また、その田中の横には万が一にもゲインを許さないために、ディフェンスをする選手がもう一人立っているべきだ。 しかしながらこのトライシーンでは、サム・ワイクスがディフェンスラインに立つのが一歩遅く、その穴を突かれてトライを取られている。

後半36分のトライ

次に後半36分頃のトライシーンでは、ラインアウトからオフロードパスを繋がれ、チーターズの2番にビッグゲインを許します。 その後のポイントを見ると、ラック周辺にいつのはチーターズの選手のみ。 ここからボールを繋がれ、一気にトライラインまでボールを運ばれてトライを奪われてしまう。 このシチュエーションではラインアウトからオフロードを繋がれ、ゲインを許してしまったことは仕方がないとしても、その後のポイント周辺に誰もディフェンスが立てていないことこそが大問題である。
おーつき
ゴール前のポイントサイドにハーフを立たせたらあかんなぁ。 ただ、特に押し込まれてくると、どうしても連携が取れなくなったり、視野が狭くなってしまうからなぁ。
たーじ
そこの精度をあげていかんとディフェンスは良くならんやろ。
おーつき
そやな。精度を上げるには、早いポジショニング、声を出して連携を確認する、当たり前のことをどれだけできるかっていうことやな。
たーじ
高いレベルになるほど基本のプレーの精度が大事になるからな。

1対1のタックルで倒しきれていない。個々のレベルの差が浮き彫りに。

前述した後半36分頃のトライシーンにおいて、チーターズの2番にビッグゲインを許した際のタックル。 このタックルではコンタクトで倒すことができなかった上、ボールを殺すことができず、引き倒すことになった結果、すぐにボールを展開されてトライに繋がれてしまいました。 少なくとも、タックラーが一発で倒しきるか、少しでもボールに絡むことができれば、その間にディフェンスラインを立て直すことができたはずだ。 ただ、この場面ではサンウルブズの2人目の寄りもなく、チーターズに思い通りの展開を許している。 フィジカル的に劣るサンウルブズが1対1のディフェンスで相手を倒すには、低い刺さるタックルをするが最も効果的。 ただ、低いタックルだとオフロードパスで繋がられる可能性が高いため、オフロードを防ぐために、2枚目、3枚目の寄りを早くする必要がある。
おーつき
1人目が確実に相手を止めて、2人目がボールに絡んで動きを止める。 ダブルタックルの徹底が必要やな。
たーじ
そやな。あと、1人を2人以上で止めに行くとすると、テンポよく出されると人数的に不利になってくる。 2人目以降がしっかりと球出しを遅らせること、それ以外のメンバーの運動量も重要になってくるな。

キックチェース時のディフェンス連携ミスをなくせ!

前半終了間際のトライ

前半終了間際のチーターズのトライのシチュエーションでは、サンウルブズのキックを取ったチーターズのカウンターで、まず松島幸太朗のタックルが外されたことにより、サンウルブズのディフェンスラインが崩壊、そのまま繋がれてトライを奪われた。 この場面だけ見れば、1対1のタックルを外されなければトライにはならず、松島の個人的なミスかのように見える。 しかし、このトライシーンでは松島のタックルの精度と言うより、キックチェースのディフェンスにおいて松島が1人飛び出てしまったことにより、ディフェンスラインにギャップができてしまったことが1番の原因だと考えられる。 キックチェースで1番重要なことはギャップを作らないこと。 キックチェースするディフェンスラインは一枚の板のように、相手がパスやステップでかわそうとしても、必ずどこかで接点が起こるようにするのがセオリー。 そのためには、チェイスしている選手同士がお互いの位置を確認し合い、連携を取ることが重要になってくる。 このような連携ミスからの失点は非常に不用意な失点と言え、こうした形での失点が無くして行かなければ勝利は近づかない。
たーじ
もちろん、サンウルブズの選手もトップレベルの選手やからわかってはいると思うんやけど
おーつき
頭ではわかってても、こういう連携の部分は普段の練習量が物を言うからなぁ
たーじ
そこは、色々なチームから集められてる集団っていう、サンウルブズの弱みやな。 いつも違うシステムで戦っている別々のチームの選手が集まってるから、連携はどうしても噛み合わん部分が出てくるんやろうな。
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体格やパワーの差はどこで埋める?前回W杯の南アフリカ戦を思い出せ!

たーじ
ディフェンスの修正できる部分は早めにしてほしいなー。 キックチェースとかしっかり左右の立ち位置を確認して壁を意識するだけでもだいぶ違うと思うし。
おーつき
まぁ言うだけなら簡単やけど、実際やるんは大変やしな。 今後、どれくらい修正していけるか注目やな。でもすぐに修正できへん部分もいっぱいありそうちゃう? フィジカルの差とかすぐにどうにもならんし、1対1はかなりキツイと思うんやけど。
たーじ
そやなー、厳しいな。でも前のW杯の南アフリカ戦はフィジカルで負けてたけど、最終的に勝ったやん! だからフィジカルで負けても勝てるはずやって!
おーつき
確かに!あの試合はエグかったなぁ!感動したわ! サンウルブズにもその試合に出てた選手が結構いるし、またああいう熱い試合をしてほしいな!!

小兵が多い日本選手が勝つためには…

相手選手に走り勝て!数で勝負するべし!

体格で他のチームに劣るサンウルブズが勝つためには、80分間を走りきることができるフィットネス、スタミナが鍵となってくる。 チーターズにトライを取られたシーンを振り返っても、スタミナがあればポイント周辺に素早く立つことができ、トライを防げた可能性が高い。 ポイント周辺に選手が立てない大きな理由の1つはスタミナである。 もちろん、トップ選手である彼らに単純な走るスタミナは十分にある。 だが、スーパーラグビーの他のチームには体格、パワー、スピードなど、フィジカル面で自分よりも優る相手とコンタクトをし続けなければならない。 ラグビーにおいて、自分よりもフィジカル面で優る相手と闘い続けるのは消耗が激しく、これを乗り越えて80分という試合を走りきることは並大抵ではない。 また、スーパーラグビーでは一つ一つのプレーの精度も高く、高い集中力を保つ必要があり気力の消耗も激しい。 しかし、それでも、サンウルブズが勝利するには、走り勝つしかない。 本来1人でタックルすればいい場面でも、日本の選手では2人でタックルする必要があることが多く、同じペースで走っていると必ず人数が足りなくなる。 その穴を埋めるために相手チームよりも1秒でも2秒でも早く立ち上がり、次のディフェンスに参加する、地道なプレーが重要となる。

ボールに絡め!出来る限りボールの展開を遅らせるべし!

また、どれだけスタミナがあって素早く立ったとしても限界はある。 そこでもう一つ、サンウルブズが勝つために必要なプレーはボールに絡んで、相手チームの動きを少しでも遅らせることが必要になる。 今回の試合を振り返ると、ボールに絡めずにディフェンスラインが整っていない状態で攻撃されたことが、ビッグゲインに繋がる大きな要因となっていることがわかる。 1人でタックルした後、すぐに立ち上がり、ボールに絡む、という流れができれば理想だが、フィジカルで劣るサンウルブズの場合は1人目で確実に相手を倒し、2人目がボールに絡む、ということを徹底的に行うことによってチャンスが生まれてくるはずだ。

次戦はライオンズ戦!課題を修正して勝利を掴め!!

おーつき
次の試合は7月2日(日)、0時15分キックオフです!
たーじ
会場はヨハネスブルグで長距離の移動でコンディションを整えるのが難しいとは思いますが、今回の試合の課題をしっかり修正して、次こそ勝利を掴んでほしい!!
おーつき
Go!サンウルブズGo!!