
サッカーで言うスローインみたいな感じ。
両チームのFWが並んで、スロワーから投げ入れられるボールを取り合うんや。
しっかり解説していくで!
目次
- 1 ラインアウトとは?
- 2 マイボールラインアウトの獲得率の重要性
- 3 ラインアウトの駆け引き
- 4 ラインアウトの開始と終了について
- 5 ラインアウトの反則
- 5.1 ノットストレート(SKもしくはLOのどちらかを選択)
- 5.2 オブストラクション(PK)
- 5.3 ノット5m(FK)
- 5.4 ノット1m(FK)
- 5.5 ディレイザスローイング(PK)
- 5.6 アーリーサポート(FK)
- 5.7 ウエストオブタイム(FK)
- 5.8 スローイングの妨害(PK)
- 5.9 ボール以外への働きかけ(PK)
- 5.10 スロワーの投入位置(SKもしくはLOのどちらかを選択)
- 5.11 スロワーが投げるフリをする(FK)
- 5.12 ディフェンス側のラインアウト参加人数が多い(FK)
- 5.13 投入側チームの選手が一度参加したラインアウトを離れる(FK)
- 5.14 クイックスローインの妨害(PK)
- 5.15 オフサイド(PK)
- 5.16 コラプシング(PK)
- 6 ラインアウトはFWがやるという決まりはない!
ラインアウトとは?
ラインアウトはボールがタッチになった後、再開する時のセットプレーのことを指します。
ボールがタッチを割った地点をラインオブタッチ、ゲームを再開するポイントをマークオブタッチと呼びます。
ラグビーでは、タッチになった地点と再開場所が違うことがあるため、このように呼んでいます。
ラインアウトでは、マークオブタッチを中心に1mの間隔を開けて両チームの選手が並びます。
その両チームの間に、スロワーがボールを投入し、投入されたボールを奪い合う、という流れになります。
ラインアウト時の役割と配置
ラインアウトの時の選手の役割と配置について見ていきましょう。
ラインアウト特有の役割に『スロワー』『ジャンパー』『リフター』『レシーバー』があります。
スロワー
スロワーはボールを投げ入れる人のこと。
多くの場合、フッカーが務めます。(ルール上の決まりはありません)
ジャンパー
ジャンパーはその名の通り、スロワーが投げ入れたボールをジャンプをしてキャッチする人。
身長が高い選手ほど有利なので、高身長のロックがジャンパーになります。
ロックは2人しかいないため、3人目以降のジャンパーにはフランカーが採用されることが多いです。
リフター
リフターはジャンパーを持ち上げてサポートをするのが役目。
ジャンパーの太ももあたりを前後二人で支え、より高い位置でキープします。
主にパワーのあるプロップが務めるポジションです。
レシーバー
ジャンパーがキャッチしたボールを受け取り、BKラインへパスする役目。
ほぼ100%スクラムハーフが務めます。
各チーム1人までで、ポジショニングは、5mラインと15mの間で、ラインアウトの参加選手から2m以上距離をあけなくてはなりません。
ラインアウトに参加していない選手
ラインアウトに参加しない選手は、マークオブタッチから少なくとも自陣側に10m以上下がって布陣します。
ただし、ゴールラインの方が近い場合はゴールラインより後方であれば問題ありません。
ラインアウトとなる基本的な状況
ラインアウトが起こるのは、以下のいずれかの状況です。
- ボールがタッチラインを超えて外の地面に着いた
- ボールキャリアーの体の一部がライン、もしくはラインの外の地面に触れた
いずれも、最後にボールに触れた側(=ボールを出した側)の相手チームの投入で再開となります。この辺りはサッカーと同じですね。
二つ目の場合、定義自体は難しくはないのですが、このケースはレフリーの判定が難しいケースがあります。
ライン側でトライを狙って飛び込んだ選手がタックルを受けた際など、トライが先か、タッチライン外の地面に体が着いたのが先か、と微妙な判定となります。
しかし、最近ではTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)という、いわゆるビデオ判定が導入されているので、客観的でより正しい判断が可能になっています。
空中でキャッチして、グラウンド内に着地した場合
タッチライン外側で待ち構えた選手がジャンプ中にボールをキャッチしたり弾いたりして、グラウンド内に着地もしくはボールが落下するというプレーがあります。
キックされたボールがタッチラインのギリギリ外に落下する場合に起こるケースです。
この場合、ボールもボールキャリアも、タッチラインやタッチラインの外の地面には触れていないため、プレー続行となります。
たとえ、空中でラインを割っていたとしても、地面につかなければ大丈夫ということですね。
特殊なケース
また、ボールをどちらが投入するかの原則が変わる特殊なケースをご紹介しておきましょう。
ペナルティキックでタッチに出た場合はキックした側が投入する
ペナルティキックで直接タッチに出た場合、ボールの投入権は通常とは逆になります。つまり、キックを蹴った側が、そのまま投入権を得られるんです。
アタック側は前方にキックしてタッチに出すことができれば、陣地を稼いだ上にマイボールを継続できるということですね。ラグビーでは非常に重い反則となるため、ペナルティの数を少なくすればそれだけ勝利に近づくと言えます。
なお、ペナルティキックに似たフリーキックは、通常通り、ボールを出したチームの相手側に投入権があります。
ダイレクトタッチはキックした地点の真横のライン上からリスタート
ダイレクトタッチになると、再開位置が通常と変わります。。
自陣22mラインを超えた地点からのキック、あるいは、自陣22mラインの外から22mライン内に戻してからのキックがバウンドせずに直接タッチになった場合、ダイレクトタッチとなります。
ダイレクトタッチとなった場合、キックした地点の真横のタッチラインからラインアウトで再開となります。
キックで稼げたはずの陣地を失った上で相手ボールで再開するため、非常に手痛いミスと言えます。
キックオフが直接タッチになった場合
キックオフやトライ後の試合再開のキックが直接タッチになった場合、相手側のチームに以下の選択肢が与えられます。
- キックのやり直し
- グラウンド中央でのスクラム
- ラインアウト(タッチになった位置かハーフウェイライン上のキック側のゴールに近い方)
- クイックスローイン
ドロップアウトが直接タッチになった場合
ドロップアウトから直接タッチになった場合は相手側のチームに以下の選択肢が与えられます。
- ドロップアウトのやり直し
- 22mラインでのスクラム
- ラインアウト(タッチになった位置か22mライン上のキック側のゴールに近い方)
- クイックスローイン
事前にアドバンテージが見られていた場合
また、タッチになる直前、タッチになって攻撃権を失う側にとって有利なアドバンテージがあれば、そちらが優先となります。
そのレフリーによってアドバンテージの反則がコールされ、アドバンテージ発生地点から、それぞれの反則等に応じた方法で再開します。
タッチラインを跨いだ選手がボールをキャッチしたらどうなる?
まぁ、なんとなくラグビー観れればいいやって人はそんなに深く考えなくてもいいかもしれんな。
でも、ややこしいのが好きな人には、さらに難しいケースを紹介します。
この場合、キックした側がタッチに出したのか、ボールをキャッチした選手がタッチに出したのか。
タッチラインを空中に伸ばした時に、ボールがタッチラインの外かライン上ならキックをした側が出した、ボールがフィールド内ならキャッチした側が出したっていうことになります。
ちなみに、これは2018年5月のルール改正で変更になってます。
今までは、タッチラインを跨いでのキャッチはボールの位置に関係なく、キックした側がタッチに出したという判定でした。
マイボールラインアウトの獲得率の重要性
ラインアウトでは、獲得率という数字が重要になります。
実況などでもよく聞く数字ですが、特にマイボールラインアウトの獲得率は9~10割を維持したいところ。
5割を切ったりすると、試合展開は相当苦しくなります。
相手は、敵ボールのラインアウトも半分の確率で取れるとなれば、積極的にキックでタッチに出して陣地を稼ぎにきます。
ラグビーは陣取りゲームとも言われるくらいですので、かなり一方的な試合展開にもなりかねません。
マイボールラインアウトをキープするのはFWの義務とも言えます。
ですから、少しでも獲得率を上げるために、または、相手の獲得率を下げるために、ラインアウトでは様々な駆け引きが行われています。
次からは、そうした駆け引きについて解説していきます。
ラインアウトの駆け引き
ラグビーのラインアウトは敵ボールだったとしても、奪うチャンスがあることが特徴。
したがって、そのチャンスを最大限活かすため、あるいはマイボールを渡さないために、ラインアウトでは様々な駆け引きが展開されています。
今回は『ラインアウト開始まで』『ラインアウト中』『ラインアウト後』と3つの段階に分けて駆け引きを見ていきましょう。
ラインアウト開始までの駆け引き
ラインアウトは、ボールがタッチに出た時点で既に始まっていると言っても過言ではありません。ラインアウトが開始されるまでの駆け引きを見ていきましょう。
ラインアウトの人数は投入側に決定権がある
ラインアウトに何人参加するかは投入側に選択権があり、ディフェンス側がそれに合わせる形になります。
そのため、ボール投入側は自分たちがボールを確保しやすい、または、その後の展開上有利になるような人数を選択するわけですね。
どのポジションの選手が参加するかは、アタック側ディフェンス側ともに自由です。
ちなみに、ディフェンス側はスロワーの代わりに、タッチラインと5mラインの間に選手を一人配置します。
オールメンラインアウト
FW8人が全員参加するラインアウトを「オール」「オールメン」と呼びます。
オールメンのラインアウトは、FWの人数が多いため、自陣や相手陣でモールを作る時などに使用します。
ただし、スロワー以外の7人が並んだ時、一人一人の感覚が狭いため、飛ぶ位置や人がわかりやすくなり、ディフェンス側は競りやすいという特徴もあります。
ショートラインアウト
オールメンのラインアウトに対し、人数を減らした場合は「ショートラインアウト」と呼びます。
この時は、何人が参加するのかを相手に伝える必要があります。
よく選択されるのは、4人、5人、6人のラインアウト。
それぞれ、フォー(フォーメン)、ファイブ(ファイブメン)、シックス(シックスメン)と言います。
ショートラインアウトは、選手同士の間隔が広いため、投入側がディフェンスのマークを振り切りやすいことが特徴です。
お互いの22mラインの間、グラウンド中央付近で使用されます。
うかつに並ぶと開始される
ディフェンス側はアタック側の人数を見て、ラインアウトに並ぶわけですが、きちんと人数を把握する前に並ぶのは危険です。
実は、ラインアウトではディフェンス側の人数がきっちり揃っていなくても開始できてしまうんです。
そのため、ディフェンス側の選手が数人並んでしまったために、他の選手が準備中にプレーが開始されていた、なんていうことも。ディフェンス側が安全策をとるなら、並ぶ前にきちんと人数と配置を確認してから、全員一緒に並ぶと良いでしょう。
ラインアウトのクイックスローイン
ラインアウトはいくつかの条件を満たすと、クイックスローインと言って、ラインアウトを行わずにそのままボールを投入しても良いとされています。
クイックスローインをするには、次の3つの条件を全て満たしていることが必要です。
- クイックスローインが可能な3条件
-
- ラインアウトがまだ形成されていない
- タッチに持ち込んだプレーヤーとボールを投入するプレーヤー以外が触っていない
- タッチに出たボールと同じボールであること
まず、一つ目は両チームがラインアウトのために整列していないこと。
ラインアウトに選手が並び始めてから急にボールを投げ入れることはできません。目安としては、タッチに出てから審判の笛がなるまで。
審判は投入側がクイックスローインをしないと判断すれば、ラインアウト形成の合図のために笛を吹きます。逆に笛の合図が出るまではクイックスローインの可能性があるということです。
二つ目は、タッチに出た後、ボールを投入する選手以外の人がボールに触れていないこと。
タッチジャッジやボールボーイ、両チームの控え選手、観客など、利害関係の有無に関わらず、投入する選手以外の人がボールに触ってしまった時点でクイックスローインは認められません。
最後にタッチに出たボールが交換されていないことです。
試合中、観客席にボールが入ったり、雨の試合でボールが汚れたりすると、ボールを交換することがありますが、クイックスローインではタッチに出たボールと同一のボールを使用しなければなりません。
クイックスローインの投入位置はタッチ位置より自陣側ならOK
クイックスローインはタッチに出た位置、つまり本来のラインアウトの開始地点よりも自陣側ならどこから開始しても構いません。
その場で近くの味方に向かってボールを投入してもいいですし、マークオブタッチまでグラウンド外を走っていって出来るだけ前方から開始することも可能です。
クイックスローインがよく見られるシーン
クイックスローインはロングキックがそのままタッチに出た場合などによく見られます。
敵のディフェンスが来る前にボールを投入し、出来るだけ陣地を回復することが目的です。
ただ、ペナルティキックの場合は、タッチに出した側がラインアウトの投入側になるので、クイックスローインを行うことはできません。
クイックスローインを防ぐには
カウンターからビッグゲインされる危険もあるクイックスローインを防ぐには、ディフェンス側の選手が出来るだけ早くプレッシャーをかけに行くことです。
クイックスローインでも、通常のラインアウト同様、真っ直ぐに投入しなければなりません。
投入しようとグラウンドを振り返った時、既にディフェンスが目の前に来ていることがわかれば、ボールをカットされたり、すぐにタックルで潰されてしまう可能性が高いため、クイックスローインを諦めざるを得ません。
ラインアウト中の駆け引き:サインの選択と投入タイミング
ラインアウトでは、誰がどんな動きをしてどの位置で飛ぶかということをサインを使って決めています。
野球でも、バッテリーが次に投げる球を決めるのにハンドサインを使いますよね。ラグビーでは、ラインアウト参加者全員に伝えないといけないので声を出して伝えますが、基本的には野球のサインと同じです。
一般的なサイン
飛ぶ場所をラインアウトの並び順に番号で指定するのが一般的です。
リフターを◯、ジャンパーを×とすると、オールメンの場合、次のように並ぶことが多いです。
◯ × ◯ × ◯ × ◯
前から順番に、「2番目」「4番目」「6番目」の選手がジャンパーで、その前後にリフターが来る形ですね。ですから、ジャンパーの位置をそのままサインにして、「2番」「4番」「6番」と言います。
これは、FWの選手ならどのチームでも共通認識としてあるもので、選抜チームや合同チームなどで即席のチームを作る時にも、これを元にサインを作ります。
サインを暗号化する
ただし、上記のサインをそのまま使うと相手にもバレバレです。そのため、味方にしかわからないようにサインを暗号化する必要があります。
例えば、4つの数字をコールして何番目の数字がキーになるかを決めておく方法などですね。
簡単すぎると、敵にバレてしまい競りに来られてしまいますが、あまり難しい方法にすると味方が間違えたり伝わらない可能性もあります。
チームごとに暗号化の方法は様々ですので、分析してみると面白いかもしれません。
ex)3桁目がキーの場合
コール「4 5 2 9」 実際に飛ぶ場所=2番
サイン選択
駆け引きで最も重要なのがこのサイン選択です。
相手のディフェンス側の陣形を見て、自分たちが有利なポイントや敵が警戒していないポイントでボールを取れるようにサインを選択します。
例えば、2番の選手が相手よりも身長がかなり高いのであれば、ずっと2番を出していてもいいでしょう。4番の選手がジャンプしつつ、1番の選手がスロワーに振り向き、地上でボールをもらうということもあります。
また、ラインアウト後にモールを組むなら、タッチラインに出されないよう4番の位置でボールを取るなど、様々な要因を考えてサインを選択します。
ちなみにサインをコールする人は特に決まっていません。スロワーがコールするチームもありますが、真横で相手の配置が見えやすいジャンパーがコールすることもあります。
投入タイミング
どんなタイミングでスロワーがボールを投入するかも駆け引きのひとつ。
例えば、サインをコールをしてから数秒時間をおいてから投入したり、ラインアウトに並ぶ前にあらかじめサインを決めておき、並んだ瞬間にサインなしでいきなり投入するなど。
マイボールを確保するために投入のタイミングにも工夫が必要になります。
ラインアウト後の駆け引き
ラインアウト後は通常のプレーへと繋がっていくわけですが、どんなプレーを選択するかは状況やチームの強みや得意とする戦術によって様々です。
モールを形成
FWに強みを持つチームなら、敵陣ゴール前のラインアウトは、まず間違いなくモールでトライを狙うでしょう。
モールは一度組まれてしまうと崩すことが難しく、パワーで負けている場合、防ぐことが最も難しい攻撃。ディフェンス側にとっては、どうモールを防ぐかが重要な課題になります。
また、自陣ゴール前でもラインアウト後にモールを形成することは多いです。
これはトライを狙いに行くのではなく、味方のBKに安定してボールを供給し安全にキックを蹴ってもらうのが目的です。
BKラインへ展開
グラウンドの中央エリア付近では、ラインアウトのボールをすぐにBKラインに渡して早く展開します。
人数上は相手も同じなので、一息にディフェンスラインを抜けることは少ないですが、ショートラインアウトでBKラインに残ったナンバーエイトなどのペネトレイターが突破を試みるなど、選択肢は豊富にあります。
ラインアウト付近をFWで攻める
ラインアウトからのもう一つの展開がラインアウト周辺でFW戦をしかけるパターン。
モールを組むと見せかけて相手を引きつけ、実は相手に見えないようにパスをしたり、スペースこそ少ないですが、タッチラインと5mラインの隙間を狙うようなサインがあります
。
何度も通用する方法ではありませんが、ここぞという時に使うとビッグゲインに繋がることもある方法です。
ロングスローで奇襲!
奇襲的な戦法が15mを超えるロングスローを投げること。
実はラインアウトの後ろの限界である15mラインを超えた時点でラインアウトは解消されます。
あらかじめサインで決めておけば、スロワーがボールを投げた瞬間にBKラインから選手が走り込んだり、ラインアウトに参加していた選手が大きく後ろに回り込んでキャッチすることができます。
ただし、スロワーのボールが15mを超えない場合は、ラインアウトが継続しているので、BKラインから走り込んだ選手はオフサイドになってしまいます。スローミスやサインミスには気をつけましょう。
ラインアウトの駆け引きは試合前から始まっている!?
基本的にはセオリーがあって、ゴール前ではモールを組んで、真ん中ではBKに展開するよな。
そう考えると、レフリーの笛がなった時点で、いやなる前からラインアウトの駆け引きが始まってるんやな。
音声が入るならサインの分析もする。特にスペシャルサインなんかがあった場合は、知ってるのと知らないので対処が全然変わるからな。
特にトップリーグや代表選ともなると、専門の分析チームがいるって聞いたことがあるわ。
ラインアウトの開始と終了について
ラインアウトの開始と終了のタイミングについて見ていきましょう。
ラインアウトの開始タイミングは「ボールがスロワーの手を離れた時」です。これについては、特に説明は必要ないでしょう。
対して、ラインアウトの終了タイミングは「ボールまたはボールキャリアがラインアウトを離れた時」となります。こちらはいくつかのパターンがありますので、簡単に例を挙げて解説します。
- パスやキック、後ろにこぼれるなどでボールがラインアウトから離れた時
- ボールキャリアが自らラインアウトから離れた時
- ボールあるいはボールキャリアーが、5mまたは15mラインを超えた時
- ラインアウトからモールまたはラックになり、そのオフサイドラインがラインアウトの投入位置(マークオブタッチ)を超えた場合
これらのタイミングでラインアウトは解消になり、ラインアウトに参加していない選手のオフサイドラインもなくなります。
ラインアウトの反則
最後に、ラインアウトに関連する反則について、代表的なものを抑えておきましょう。
なお、反則名の後ろの()内は、PKがペナルティキック、FKがフリーキック、SKがスクラム、LOがラインアウトです。
また、ラインアウト以外の再開方法の開始位置は、基本的に15mライン上となります。
ノットストレート(SKもしくはLOのどちらかを選択)
ノットストレートはスロワーがボールを真っ直ぐに投げなかったという反則。両チームが並ぶ1mの間に投げ込まなくてはなりません。
オブストラクション(PK)
オブストラクションは相手のディフェンスを妨害したという反則。モールなどを作ったりする時に、ボールキャリアを完全に隠してしまった場合などにとられます。
ノット5m(FK)
ノット5mはスローイングしたボールが5mラインを超えなかったという反則。5mライン内でバウンドした際にもとられますが、現実的には、1番前の選手が振り向いてボールをもらう際に、足がラインを踏んでしまった場合などが多いです。
ノット1m(FK)
ノット1mはラインアウトが開始される前に、両チームが開けるべき1mの距離を保たなかったという反則基本的には、ディフェンス側の選手が相手ボールを取るために近づいてしまう時にとられます。
ディレイザスローイング(PK)
ディレイザスローイングは、意図的にスローイングせず開始を遅らせたという反則。ラインアウトに両チームが並んだ後は、速やかにボールを投入しなければなりません。
アーリーサポート(FK)
アーリーサポートはスロワーからボールが投入される前にジャンプをしたり、サポートをしたという反則。準備のために、ジャンパーの足を掴んでおくことはできますが、選手をジャンプしたまま持ち上げ続けて妨害することはできないということですね。
ウエストオブタイム(FK)
ウエストオブタイムは遅延行為は禁止する反則です。ラインアウトに並ぶのを遅らせるなど、不必要に時間を使う行為はしてはいけません。人数の調整や意思統一は速やかに行う必要があります。
スローイングの妨害(PK)
ディフェンス側のタッチラインと5mの間にいる選手がスロワーの妨害を行ってはいけません。
ボール以外への働きかけ(PK)
お互いにボール以外への働きかけは禁止されています。相手側の選手の腕や服を掴んだり、肩を押さえつけるような行為は反則です。また、ラインアウト開始前に相手の体に触れることも禁止です。
スロワーの投入位置(SKもしくはLOのどちらかを選択)
スロワーはタッチラインより内側からスローイングしてはいけません。(タッチラインを踏んでもダメ)
スロワーが投げるフリをする(FK)
スロワーは投げるフリをすることは反則になります。野球のピッチャーと同じように、一度モーションに入れば、そのまま投げないといけません。
ディフェンス側のラインアウト参加人数が多い(FK)
ディフェンス側は、オフェンス側より参加人数を多くしてはいけません。人数が少ないのは問題ありません。
投入側チームの選手が一度参加したラインアウトを離れる(FK)
投入側のチームの参加選手は、ラインアウトに一度並んだ後にラインアウトから離れてはいけません。オフェンス側の人数を見て、ディフェンス側が合わせるので、混乱を防ぐ目的があります。
クイックスローインの妨害(PK)
クイックスローインを行おうとしている時に、タッチラインと5mラインの間に入って妨害してはいけません。また、タッチに出た選手がボールを離さないことも、妨害行為にあたり反則となります。
オフサイド(PK)
ラインアウトのオフサイドは、ラインアウトに参加していない選手が10m以内に近寄った場合に取られます。ラインアウト参加者もマークオブタッチがオフサイドラインとして設定されていますが、プレーの流れ上適用されることはまずありません。
コラプシング(PK)
コラプシングはモールを意図的に崩したという反則です。厳密にはラインアウトの反則ではないですが、ラインアウトからモールが組まれた時、止める手段がない場合、無理矢理に崩しにかかってコラプシングとなるケースがあります。他に手段がないとはいえ、危険なプレーであり、繰り返せば認定トライとなってしまうので注意が必要です。
ラインアウトはFWがやるという決まりはない!
これを読めば、ラインアウトマスターやな。
まだ一つ言ってないことがあるんや。
BK含めて最大14人でラインアウトができるっていうことやな。
でも、中学校とか高校で、BKで背の高い選手がいたら、ラインアウトの時だけジャンパーをやるっていう選択肢もありやと思うで。
新しい世界が見えるかもしれんで!
FWとパワープレーするとか無理やから!