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モール

モールとは?

モールとはラックと同じく密集の形態の一つで、ボールキャリアが立っている状態の時に形成されます

ラックタックルを受けてボールキャリアが倒れてしまった時に形成されますので、見分けるのは簡単です。

モールでは、ラックと同じようにオフサイドラインが形成され、モールからボールが出るとオフサイドラインも解消されます。

モールでは相手が触ることのできない最後尾の選手にボールを送るのが定石。ボールを持った選手がタイミングを見極めてサイドアタックをしかけたり、スクラムハーフがBKにボールを提供したりします。

ラックとの大きな違いは、ポイントの核となるボールキャリアが立っているため、モールが固まりのまま動いていくこと。意図的にモールを組んで前進することをドライビングモールといい、一方的に相手ゴールまでなだれ込んでトライを奪うことができる強力な攻撃手段です。

モールの定義について

モールの定義は以下のようになります。

倒れていないボールキャリアに対して、敵味方の最低一人ずつがバインドしていること

この定義によるとモールの成立には、最低でも次の三人が必要なことがわかります。

  • ボールキャリア
  • 敵のタックルプレーヤー
  • 味方のサポートプレーヤー

ラックでも同様ですが、ボールキャリアと敵側プレーヤーだけ、ボールキャリアと味方側プレーヤーだけでは、たとえ三人以上集まってもモールは成立しません

あくまで、モール・ラックの成立にはボールキャリア+敵味方一人以上のプレーヤーが必要です。

モールの特徴・使い方は?

ここからはモールの特徴や、どんな場面でモールが選択されるのか、といったところを見ていきましょう!

モールの特徴

モールの特徴としては次のような点が挙げられます

  • ボールキャリアが立った状態で形成される
  • 成立と同時にオフサイドラインが形成される
  • 密集状態のまま動く

まず、ボールキャリアが立った状態でのみ成立するということはすでにお話しましたね。

そして、成立と同時に密集の最後尾のプレーヤーから、横に伸びた線がオフサイドラインになります。そのため、オフサイドラインよりも敵陣側にいる選手はプレー不能となり、モールに対しても自陣側からしかプレーに参加することができません。

さらに、モールは密集状態のまま動いていき、オフサイドラインもモールの位置に合わせて動いていきます。

モールの使い方、よく見られるシーンは?

上記のようなモールの特徴から、下記のようなシーンでよく用いられます。

  • キックオフのボールをキャッチした直後
  • 敵陣ゴール前ラインアウト
  • 味方陣ゴール前ラインアウト

それぞれについて、詳しく見ていきましょう

キックオフのボールをキャッチした直後

キックオフで高いボールが来ると、キャッチした直後に相手からのタックルを見舞われます。

この時、簡単に倒れてしまうと勢いに乗ってボールを奪われたり、ポイントを押し返される可能性があります。そのため、キャッチする選手の周囲に味方の選手が集まりモールを形成します

敵陣ゴール前ラインアウト

敵陣の22m以内、特にトライライン目前の5mのラインアウトからは、攻撃手段としてモールが選択されることが多いです。

味方のFWが敵よりも強ければ、かなり確度が高いトライ手段になります。

攻撃手段としては単純ですが、だからこそ止めるのが難しいのがモール。FWに強みを持つチームの場合、モールだけでトライを量産することもあります。

味方陣ゴール前ラインアウト

味方陣ゴール前のラインアウトからもモールがよく選択されます。

味方陣深くからは、キックで陣地回復を狙うことが多いです。その時に脅威になるのが、キックをチャージしようとする相手ディフェンスのプレッシャー。

そのプレッシャーを少しでも抑えるために、モールが選択されます。モールは比較的安定してボールが出せ、また、ボールを出す直前に押し込むことでオフサイドラインを下げられるため、相手ディフェンスの出足を抑えることができるのです

モールにおける反則

モールにまつわる反則については、以下のようなものがあります。

コラプシング(ペナルティ)
故意に倒れる・飛びかかったり引き倒したりして、故意にモールを崩す行為。
オフサイド(ペナルティ)
モールに自陣側以外(横や前方)から参加すること
あるいは、オフサイドの位置にいる選手が、自陣側に戻ろうとしない行為

コラプシングは危険な行為ですが、一度動き始めたモールを止めるのは難しく、意図的に行われることも多いです。

ただし、あまりにこの反則が続く場合、認定トライの対象となってしまいます。

コラプシングの詳細はこちら

オフサイドの詳細はこちら

モールの終了

モールは以下のような状態で終了になります。

  • ボールを落とした時
    • →ボールが前方に落ちればノックオン
    • →ボールが後方に落ちればプレー継続。(密集から出ていなければラックに移行)
  • モール中に反則があった時
    →反則に応じてペナルティキックフリーキックなどで再開
  • モールのままボールキャリアがタッチラインを出る
    ラインアウトで再開
  • モールが自然に崩れたり、ボールキャリアが倒れた時
    →ラックに移行してプレー継続
  • モールの前進が2回以上止まり、ボールが外に出なかった時
    →その場で相手ボールスクラムで再開(モールアンプレアブル)
  • ボールキャリアがモールを離れる、ボールがパスなどでモール外に出る
    →モール解消となり、プレー継続
  • モールの成立要件(ボールキャリア+敵味方最低1人ずつ)を満たさなくなった時
    →モール解消、プレー継続

モールアンプレアブルについて

特に気をつけたいのは、モールアンプレアブルですね。
アンプレアブルは密集の中からボールが出なくなった場合、プレーを再開させるために取られます。クリンチで密着したボクサーを、レフリーが一度離してから試合を再開するようなイメージですね。

モールの前進が止まると、レフリーから「1回目」というコールがかかります。
再度、モールが動き出し、2回目の前進が止まると「ユーズイット(use it)」=『ボールを出せ』というコールがかかります。

この時、相手がボールに絡んでいたり、「ユーズイット」がかかってから一定時間ボールを出さなかった場合、モールアンプレアブルとなります。

ラックのアンプレアブルはマイボールスクラムで再開ですが、モールの場合は相手ボールスクラムになるため、攻撃権を失ってしまいます

ただし、ボールが出るか出ないかではなく、モールの動きが止まった時に判定されるため、止まらずにモールを押していけば陣地を稼ぐこともできます。

まとめ・モールとラックの共通点と違い

密集で力自慢のFWを中心に押し合うモールについて、おわかりいただけたでしょうか?

最後に、同じ密集状態であるモールとラックの共通点と違うところをまとめておきましょう。

モールとラックの共通点

  • ボールキャリアと敵味方それぞれ1人の合計3人で成立
  • 密集の最後尾の選手の位置からオフサイドが形成される
  • お互いに自陣側からしか密集に参加できない(横から入るとオフサイドまたはオフザゲートの反則)
  • ボールが密集から出ると、オフサイドラインが消える
モールとラックの違い
モール ラック
ボールキャリアが立っている ボールキャリアが倒れている
密集の中でボールを手を使って受けわたすことができる 手でボールに働きかけることは反則(ハンド)
モールのまま動く ラックは動かない
球が出ない時(アンプレアブル)は敵ボールスクラムで再開 球が出ない時(アンプレアブル)はマイボールスクラムで再開

以上です。
モールはラックと同じく、ラグビーの基本にして重要なプレー。

しっかり理解すれば、プレーの質も上がりますし観戦も楽しめますよ!

秘技!『全員モール』とは!?

おーつきおーつき

今回はモールについて。
BKの見せ場がサインプレーなら、モールはFWのパワーの見せ所!

たーじたーじ

実際、ゴール前ラインアウトからモールでトライ取られると、結構どうしようもないもんな。
モールが強いチームが相手の時は自陣22m以内のペナルティが全部トライチャンスに直結するから絶対反則できひんしな。

おーつきおーつき

そやな。
力の差がある時の安全さと確実さは、他のプレーとは比べられへん。
ちなみに、さらに確実にトライするための必殺技、知ってる?

たーじたーじ

必殺技?そんなんあったっけ?

おーつきおーつき

ふっふっふ・・・。
モールの必殺技、それはBKも含めた15人全員でモールを組む、その名も『全員モール』!!

たーじたーじ

あー、そんなんしてるところがあったっていうのは、聞いたことあるわ。

おーつきおーつき

俺らのチームではやらんかったな。
でも、ふざけてるように見えるけど、15人の体重で一気にプッシュするわけやから結構効果はあるらしいで。
何より相手がビビる!!

たーじたーじ

いや、そらビビるやろうけど!
でも、ただのギャグってわけでもないんやな。

おーつきおーつき

とはいえ万一、ペナルティでも取られようものなら、パス一本でほぼトライ確定するからリスクはめちゃくちゃでかいけどな。



たーじたーじ

やばすぎやろっ!
まぁ、ほんまに隠し玉的な感じで使うのはありかもやけど、使うチームあるか?



おーつきおーつき

観戦側としては、見てて面白いからぜひ使ってみてほしいな!