ハカとは?ラグビーの試合前に踊るのはなぜ|歌詞の意味と和訳も掲載


オールブラックスのハカ

『ハカ』とはニュージーランドに住むマオリ族が、戦いの前や和平を結ぶ際に一族の誇りを持って躍っていた踊りのことです。リズムに合わせて足を踏んで体を叩き、舌を出すなどして踊ります。ハカは戦いの前に、自らを鼓舞し、自分たちの力や部族の結束を相手に誇示するために踊られていました。
日本で言えば、合戦前の「鬨(とき)の声」、英語では「ウォークライ(War Cry)」に当たるものとされます。

現在では、ラグビーのニュージーランド代表(通称オールブラックス)が試合前に踊ることで知られており、1905年から続く試合前の儀式となっています。
しかし、実はラグビーだけではなく、野球やサッカー、ホッケーやバスケットボールなど、ニュージーランド代表が何らかのスポーツで闘う時に踊られています。

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ハカの意味とは?

試合前に踊るハカには相手チームを威嚇するだけでなく、相手チームへの敬意を表する意味があります
対戦相手に敬意を表するというのは、スポーツマンシップや日本の武士道などとも通じるところがありますね。

ただ、相手への敬意を込めているとはいえ、オールブラックスの巨漢が大声で歌い踊るのは迫力満点。
客席で見ているだけでも興奮してしまうくらいですから、目の前でそれを受ける相手チームへのプレッシャーは相当なものでしょう。

ちなみに、ハカをリード(先導)する選手はマオリ族の血を引く選手が行うことが慣例ですが、サモア系移民のタナ・ウマガがリードをするなどいくつかの特例もあります。

オールブラックスが試合前に踊るハカの種類は2つ

実はオールブラックスが躍るハカは1種類だけでなく2種類あります。
「カマテ」「カパ・オ・パンゴ」です。

「カマテ」は1905年から踊られてきたハカで、「カパ・オ・パンゴ」は2005年の南アフリカ戦で披露された新しいハカです。
練習試合や重要度の低い試合では「カマテ」が踊られることが多く、大会の決勝や敗戦したことがある因縁の相手と対戦する時には「カパ・オ・パンゴ」が踊られることが多いようです。

「カパ・オ・パンゴ」の最後には親指で首を切る動作があり、絶対に相手を倒すという強い意気込みが感じ取れます。ちなみに「相手の首をとる」という意味ではなく、「自らの首をかけても相手を倒す」という意味が込められています。

以下で、それぞれの動画と歌詞と和訳を掲載していますので、ぜひ、迫力あるハカをご覧ください。

「カマテ(Ka Mate)」の動画・歌詞と和訳

ラグビーW杯2011年 vs日本戦での「カマテ」

Taringa Whakaraong!(よく聞け!)
Kia rite!Kia rite!(準備しろ!)
Kia mau hi!(強く握れ!)
Ringa ringa pakia!(手を叩け!)
Waewae takahia kia kino nei hoki Kia Kino hei hoki!(強く足を踏み鳴らせ!)

Ka mate! Ka mate! (私は死ぬ!私は死ぬ!)
Ka ora! Ka ora! (私は生きる!私は生きる!)
Ka mate! Ka mate! (私は死ぬ!私は死ぬ!)
Ka ora! Ka ora! (私は生きる!私は生きる!)
Tenei te tangata puhuruhuru(見よ、この勇気ある者を)
Nana nei i te tiki mai, (ここにいる毛深い男が)
Whakawhiti te ra! (再び太陽を輝かせる!)
A upane! ka upane!(一歩はしごを上へ!さらに一歩上へ!)
A upane, ka upane(そして最後の一歩、そして外へ一歩!)
Whiti te ra! (太陽の光の中へ!)
Hī! (昇れ!)

「カパオパンゴ(Kapa O Pango)」の動画・歌詞と和訳

2017年 vsウェールズ戦での「カパオパンゴ」

Taringa Whakarongo!(よく聞け!)
Kia Rite! Kia Rite! Kia Mau!Hi!(準備して並べ!)

Kapa O Pango kia whakawhenua au I ahau!
(オールブラックスよ、国をひとつにさせてくれ!)
Hi aue ii!(今だ!)
Ko Aotearoa e ngunguru nei!(鳴動する我らの国よ!)
Au, au aue ha!(今こそ、我が奮起する時!)
Ko Kapa O Pango e ngunguru nei!
(それこそが我らをオールブラックスたらしめる!)
Au, au, aue ha!(今こそが その時だ!)
I ahaha!(輝く時だ!)
Ka tu te ihiihi(我々が支配し)
Ka tu te wanawana(その優位は偉大なる勝利となり)
Ki runga ki te rangi e tu iho nei, tu iho nei ihi !(敬われ高く掲げられる)
Ponga ra!(シルバーファーン!)
Kapa O Pango, aue hi!(我々はオールブラックス!)
Ponga ra!(シルバーファーン!)
Kapa o Pango, aue hi!(我々はオールブラックス!)

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試合前だけじゃない!色々なシーンで踊られるハカ動画集

ハカは元々戦いの前に相手を威嚇する戦士の踊りでしたが、相手への敬意や感謝の意味を含むということから、現在では様々な場面で踊られています。
ニュー・ジーランドでは結婚式やお葬式、来賓に敬意を示す場合にも踊られることがあり、このような場面で踊られるハカは男性だけでなく女性も踊ることがあります。

ちなみにハカに対して敬意があり意味を理解しているならば、マオリ族だけでなく誰でも踊ることが許されています。ラグビーの試合前に踊られるハカのように激しくないハカもあるので、チャンスがあれば一度踊ってみるものいいかもしれません。

以下で、ラグビーの試合前以外の様々なシーンで踊られたハカの動画をご紹介します。

元ラグビーNZ代表のスター「ジョナ・ロムー」に捧げるハカ

ラグビー界の世界的な英雄をたたえたハカ

京都の下鴨神社で奉納されたNZラグビー学生代表のハカ

関西ラグビー発祥の地で披露されたハカ

バスケットボールNZランド代表のハカ

ラグビー以外でもNZ代表選ではハカが踊られます

結婚式で踊られるハカ

ハカは結婚式でも踊られます

ニュージーランドの警察学校の卒業式で踊られるハカ

卒業式などのセレモニーにもハカは欠かせません

女性だけで踊るハカ

女性だけでもこの迫力!(動画の50秒あたりから)

番外:「東福岡高校ラグビー部」がサッカー部の応援で披露したハカ

日本のラグビー名門チームが魅せるハカ!

日本ではグロンサンDXのCMで有名に

ちなみに、日本でラグビー関係者以外にハカが有名になったきっかけとしては、1991年に制作された中外製薬の「グロンサンDX」のテレビCMが挙げられます。
こちらの動画のCMを見ると、当時を思い出される方も多いのではないでしょうか。

ハカのフレーズである、「Ka mate!(カマテ)」が日本語で「頑張って」と聞こえるところから、「頑張って、頑張って、仕事!」「頑張って、頑張って、遊び!」などと歌詞を変え、スーツ姿のサラリーマン風の田中 実や高田 純次らがハカを踊りました。
踊りのインパクトと歌詞のキャッチーさでこのCMが有名になり、それとともにハカの存在も広く知られることとなりました。

ハカを踊る時は敬意を持って

おーつき
今回はニュージランド代表が踊るハカについてやな。
たーじ
いやー、あの迫力はやばいよな。 あんなん目の前でやられたら、試合前に帰りたくなりそうやわ。
おーつき
確かにな。 でも、別にマオリ族とかニュージーランドの人以外も踊っても大丈夫なんやな。 一回、結婚式の余興で踊ってるような動画を見たことあるけど、あれもオッケーってことか。
たーじ
そやな。ただ、2010年にコカ・コーラ ゼロのテレビCMで安室奈美恵さんとかがハカを踊る集団とダンスバトルするCMがあったんやけど、マオリ族から「伝統的なハカを正しく伝えてない」っていう抗議の意見が来たらしい。 だから、やるならやるでしっかりと、ハカの意味とか歴史を知った上で正しいハカを踊るのが大事やろうな。
おーつき
他国の文化を取り入れるなら、しっかりとその文化の歴史や背景・意味を理解して尊重する姿勢が大事ってことやな。 マオリの人からしたら、今も息づいている誇りを持っている文化やから、適当なこと伝えられたら面白くないのは当然やろうしなぁ。
たーじ
日本人が海外で独特なアレンジされた寿司とか見ると、なんかモヤモヤっとしたものを感じるのと似てるんかもしれんな。 スポーツとか文化祭、ラグビー経験者の結婚式の余興などで踊る機会があった時は、敬意と正しい知識を持って踊ってもらえると嬉しいです。