あまりラグビーに馴染みがない方、最近初めて興味を持った方などを対象に記事を作成しています。
最後まで読むと、だいたい5分くらいかかります。

画像参照:ZIMBIO
目次
フランカーってどういう意味?どこにいるの?
フランカーは「FL」と略記されます。日本語の意味は「側兵」「側方部隊」を指す軍事用語で、スクラムの最後尾、サードローの両翼を担っていることが由来です。
背番号は6番と7番で、チームのメンバー表などでは6番が左フランカー、7番が右フランカーとなります。左右は一般的な呼び方というだけで、チームの中でスクラムの場所やマイボールか相手ボールかによって、番号に関係なくオープンサイド担当のフランカー、ブラインドサイド担当のフランカーと分けていることが多いです。
(オープンサイドはグラウンドの広い側、ブラインドサイドはグラウンドの狭い側)
フランカーの役割とは?攻守の要としてチームを支える「仕事人」
良いフランカーを讃える言葉として、よく『仕事人』という言葉が使われます。
その言葉通り、ボールを持ってゲインするような派手なプレーをする選手は少ないですが、攻守に渡ってチームの要となるのがフランカーです。
チーム1のタックル能力、スピードと持久力が必要とされ、BKラインでのパス回しにも参加できるレベルのハンドリング能力と戦術理解も不可欠。
パワー、体力、頭脳、そして何より、相手を恐れず、苦しい時でも80分間変わらないパフォーマンスを発揮しつづける「メンタルの強さ」が必要です。
フランカーの体重や身長・身体的な特徴は?
体格自体はプロップやロックほど大きくないことが多いです。
グラウンドを縦横無尽に駆け回る運動量が求められますし、ラインアウトではロック2人に次ぐ3人目のジャンパーの役割もあるためです。
プロップほどの横幅もロックほどの身長もない選手がほとんどですが、細身というわけではありません。タックルやブレイクダウンなど接点での強さも求められるので、無駄のない筋肉質な体で非常にパワフル。BKで一番体格の良いセンターの選手と同じくらいの体格です。
ただし、代表クラスの選手ともなれば、体重も100kg以上、身長もロックの選手並みの体格が求められます。
体格に恵まれたフランカーは、BKラインに攻撃参加して、自分からボールを持って積極的に敵陣突破やトライを狙ってきます。
ボールキャリアーとしても存在感のあるフランカーは、まさにチームの中核選手であると言えるでしょう。
フランカーの動きは?求められるスキルは?
フランカーの動きは、オープンフランカーとブラインドフランカーで大きく異なります。
まずは、どちらにも共通して求められるポイントから見ていきましょう。
フランカーに求められるスキルと動き
フランカーに共通して求められるスキルは次の通り。
- タックルの上手さ、激しさ
- ブレイクダウンのスキル
- 80分間走り続けられる体力
- 2次、3次と先を考える状況判断能力
オープン、ブラインド、どちらのフランカーにも共通しているのは、攻守の要としての動きです。
アタックの場面では、味方が捕まった時に、誰よりも早くポイントに駆けつけてボールを奪われないように守ります。
また、パワーとスピードを活かして敵陣に切り込んだり、BKラインで三人目のセンターのような役割を果たすこともあります。
ディフェンスの場面では、豊富な運動量を活かして何度もタックルを行います。
そして、フランカーが最も輝くのが、タックルで倒した相手からボールを奪うプレーです。
タックル後、すぐに立ち上がってボールに絡みついて反則を狙うジャッカルや、相手選手を押し返してボールを奪うターンオーバーなど、決まればピンチを一気にチャンスに変えることができます。
アタック・ディフェンスのどちらでも言えることは、チームで一番走り、体を張らなくてはなりません。
100%の力で80分間戦い抜くのは並大抵ではありませんが、フランカーが崩れるということはチーム全体が崩れるということ。苦しい時にでも走ることができるのは、その強いメンタルがあればこそです。
オープンサイドフランカーはサポートのプロ
オープンサイドフランカーはタックルとブレイクダウンのスペシャリストです。
オープンサイドはスペースが広い側ですから、アタックでもディフェンスでもボールが展開していくことが多い方向。
自然とタックルの機会も多くなりますので、激しいタックルで会場を魅了してくれます。
また、豊富な運動量で攻守ともにあらゆるブレイクダウンに顔を出します。
攻撃がスムーズに継続したり、相手チームの攻撃が遅れたりするのは、実はオープンサイドフランカーの隠れたサポートが効いている場合が多いです。
オープンサイドフランカーの体格と特徴
世界レベルのオープンサイドフランカーを見ると、平均体重は90kg以上100kg未満。
オープンサイドフランカーにはパワーとともにスピードも求められます。強さを維持したまま速度も落とさないギリギリのバランスがこの体重であるということですね。
身長に関しては、170cm台の選手も珍しくなく、体格的には求められるものは少ないと言えます。
アタック時の役割と動き
アタック時のオープンサイドフランカーは、まさに「サポートのプロ」。
スクラムから一早く離れて接点に駆けつけ、攻撃が継続できるようボールを守ります。
オープンサイドフランカーのサポートが少しでも遅れると、相手にボールを奪われるリスクがあるため、責任は重大です。
そして、最初の攻撃を継続させた後も、休むことなく走り続け、絶え間なく味方のサポートをしていきます。
また、攻撃中に味方のセンターやウイングが相手ディフェンスラインを突破した時、パスやブレイクダウンのサポートにいかなければならないので瞬発力も必要です。
どちらかと言えば、ボールキャリアとしてよりも、サポートとしての役割の方が求められてるんですね。(とはいえ、状況に応じてBKラインに参加してパスや接点作りも行いますが)
そして、いち早くサポートに駆けつけるために、2次3次と展開を予測する状況判断能力も必要になります。
次のポイントを事前に予測することができれば、闇雲に走るよりも早く駆けつけられるのは当然。オープンサイドフランカーにはクレバーに先を見通す力も必要なんです。
ディフェンス時の役割と動き
ディフェンス時のオープンサイドフランカーは「チーム1のタックルの鬼」と化します。
オープンサイドはボールが展開されることが多いので、素早くスクラムから離れて、相手にプレッシャーをかけにいきます。
また、相手ナンバーエイトの突進を防ぐのもオープンサイドフランカーの重要な役割。
相手のエースを一発のタックルで仕留めれば、味方の士気も上がります。
相手ボールを奪うターンオーバーやジャッカルといったプレーも積極的に狙っていきます。
ブラインドフランカーは第2のナンバーエイト!
ブラインドフランカーの動きもオープンサイドフランカーと同じく、サポートやタックルが基本となります。
ただし、オープンサイドフランカーがよりサポートとしての役割が強いのに対し、ボールキャリアとしての役割が強いのがブラインドフランカー。
機動力と仕事量でチームを影から支えるのがオープンサイドフランカーとすると、体格とパワーを活かした突破力で自らも主役となれるのがブラインドサイドフランカーと言えるでしょう。
ブラインドフランカーの体格と特徴
代表クラスのブラインドフランカーの平均的な体格は、身長185cm以上、体重100kg以上。ナンバーエイトやロックにも匹敵する体格で、実際にそれらのポジションをこなすことができる選手も多いです。
オープンサイドフランカーより大柄な分、運動量やスプリント能力ではわずかに劣ります。
代わりに、その体格を活かしてラインアウトで3人目のジャンパーを務めたり、恵まれた体格を活かして敵DFラインを突破するペネトレーターして活躍します。
アタック時の役割と動き
アタックの時は「第2のナンバーエイト」、あるいは、「第3のセンター」として、攻撃の中核を担います。
オープンサイドにボールが回った時、スクラムを回り込む分、最初の接点のサポートに入るのは難しいんです。
ですから、次の攻撃に備え、スクラムハーフから直接ボールをもらったり、BKラインに参加するなどして、2次攻撃のボールキャリアとなることが多いです。
ボールを持つ機会が多い為、FWのエースであるナンバーエイトやBKの突破役であるセンターの役回りが期待されるというわけですね。
もちろん、攻撃が継続していけば、オープンサイドフランカーと同じように、豊富な運動量を活かしてサポートにも参加します。持ち前の激しいプレーは、ブレイクダウンでも存分に発揮されます。
ディフェンス時の役割と動き
ディフェンス時、ブラインドサイドに相手ナンバーエイトが来た時にタックルで止めるのは、オープンサイドフランカーと同じです。
違うのは、オープンに展開した時。
この時は、オープンサイドフランカーのようにボールに向かったり、BKラインの後ろに下がることはしません。
ボールの動きを追いながら、内返しのパスや2次3次のブラインド攻撃に備えます。
相手の攻撃ラインの動きを見て、展開を予想しつつ要所を見極めてタックルを狙うのです。
接点が起こった際には、参加して球出しを遅らせる or ターンオーバーを狙う or 次の攻撃に備えてDFラインに並ぶといった選択肢の中から瞬時に判断する必要があります。
激しさ、熱さだけでなく、戦局を見通す冷静さも不可欠なんですね。
まとめ
フランカーの役割と動き、求められるスキルなどについて、解説して来ました。
最後にフランカーについてまとめてみましょう。
フランカーの基礎知識
- フランカーの背番号は6番と7番
- スクラムでは最後尾のサードローの両翼を務める
- オープンサイドフランカーとブラインドサイドフランカーがいる
- 味方のサポートと激しいタックルをする『仕事人』
オープンサイドフランカー
- 敵のアタックを止め、連続攻撃を支え『タックルとブレイクダウンのスペシャリスト』!
- 世界レベルの体重は90kg~100kg程度
- タックルスキルとターンオーバーのスキルはチーム1!
ブラインドサイドフランカー
- 攻撃の中核を担う『第2のナンバーエイト』!
- 世界レベルの体格は身長180cm以上、体重100kg以上でラインアウトでジャンパーにもなる
- サポート・タックルだけでなく、相手DFを突破するペネトレーターとしても一流!