あまりラグビーに馴染みがない方、最近初めて興味を持った方などを対象に記事を作成しています。
最後まで読むと、だいたい5分くらいかかります。(動画時間含めず)

目次
ナンバーエイトの意味、由来は?
ナンバーエイトの意味、由来は、背番号の8番から来ています。
略式表記でも、そのまま『NO.8』と書きます。
他のポジションは、プロップ=支柱、フランカー=側面部隊、ウィング=BKの両翼など、役割や位置どりから名付けられているのに対し、少し異質な感じがしますよね。
これは、ナンバーエイトが40年ほど前にできたばかりの比較的新しいポジションだからなんです。
ナンバーエイトは一番新しいポジション!
元々、第三列のバックローは左から順に6,7,8と、ひとまとめにされていました。
今のナンバーエイトに当たる真ん中の選手はバックローセンターと呼ばれていました。
次第に左右のフランカーとの求められる役割の違いから、ナンバーエイトとして独立して今に至っています。
ナンバーエイトはどこにいるの?
ナンバーエイトはスクラムの最後尾、両ロックの間に位置します。
最後尾からスクラムを押すとともに、マイボールではフッカーから送られて来たボールをキープする役目もあります。
スクラムトライを狙う時などには、ナンバーエイトからの号令でFW全員がスクラムのプッシュをかけます。
また、人数を減らしたショートラインアウトの時には、ペネトレイター(敵ディフェンスの突破役)として、BKラインに混ざることもよくあります。
ナンバーエイトの特徴
ここからはナンバーエイトの特徴について解説していきます。
体重や身長・体格的な特徴について
チームの精神的な支柱とも言えるポジションなので、身体面でも求められる条件は多く、必ずしも誰でも慣れるというわけではありません。
- チームでも1、2を争う身長
- パワーに溢れた強靭な筋肉
- 恵まれた肉体に負けないスピード
これらの条件を満たす選手がナンバーエイトに選出されます。
世界代表レベルのナンバーエイトの体格は身長190cm、体重110kg。
敵ディフェンスをこじ開ける役割が求められるため、このように規格外とも言えるような恵まれた体格が求められます。
日本人でこのサイズの選手は少なく、日本代表でも外国出身の選手が勤めることが多いポジションですね。
求められる動きと必要なスキル
それでは、ナンバーエイトに求められるスキルについて解説していきます。
- 相手ディフェンスを突破する力
- タックルの上手さ、激しさ
- バックスラインに参加してパス回しできるハンドリング
- サポートの速さ、ブレイクダウンの技術
- キック処理能力
- 状況判断能力
- FWをまとめるリーダーシップ
様々な役割が求められるポジションですので、状況別に見ていきましょう。
スクラムでの動きと役割
最後尾に位置するスクラムでは、もっとも状況が見える選手として、FW全体のリーダーシップを取る役割が求められます。
このため、チーム内でもFWリーダーやキャプテンといった役職を務めることが多いポジションでもあります。
スクラム後のプレーでは、マイボールか相手ボールかで役割が異なります。
マイボールスクラム時
マイボールスクラムの場合、フッカーから送られてくるボールをキープします。
その後、ナンバーエイトがそのままボールを拾って、サイドアタックを仕掛けるか、スクラムハーフがボールをBKに出すことになります。
サイドアタック時は、相手のスタンドオフを巻き込んで、BKに人数的な有利を作らせることが主目的となります。
相手フランカーのタックルに負けないだけのパワーや突破力が必要です。
また、スクラムハーフがボールをスタンドオフにパスをしてBKに展開したなら、一番はじめの接点のサポートに向かって走ります。
この時は、BKに遅れないようにするスピードや、接点が起こった時のブレイクダウンの技術や激しさが必要になります。
相手ボールスクラム時
相手ボールスクラムの場合、敵ナンバーエイトのサイドアタックを、フランカーと協力して止める役割があります。
相手も同じナンバーエイトなので、身体的に優れた選手ですが、それを止めるだけのタックルのテクニックが必要になります。
この時、サイドアタックが止められなければ大きなゲインを許す可能性があります。
仮にスタンドオフが上手くフォローしてくれたとしても、一人に三人がかりになってしまっている時点で、人数的不利を作られてしまいます。
ナンバーエイトのサイドアタックを早い段階で潰せるかどうかは、非常に重要なポイントなのです。
フィールドでの動きと役割
ナンバーエイトのスクラム以外の場面での動きや役割について見ていきましょう。
BKラインに参加してアタック
ショートラインアウトや連続攻撃中など、ナンバーエイトがBKラインに参加する機会は多くあります。
BKからパスを受け、持ち前のパワーで相手のディフェンスラインを突破するのが役割です。
また、自身が当たるだけでなく、人数有利が取れていればパスも選択できるパススキルや状況判断能力も必要になります。
キック処理能力
基本的に、キック処理はバック3と呼ばれるウィングやフルバックの選手の仕事です。
しかし、キック合戦になった時には、3人が揃っていないことも多く、穴を埋めるようにナンバーエイトやフランカーがキック処理を行うことがあります。
キック処理には適切なポジショニングのための状況判断能力やキックのキャッチ能力が重要です。
流石にキックを蹴り返すナンバーエイトは少ないので、自分でキックするスキルは必要ありません。
キックをキャッチした後は、カバーに来ている他のバック3にパスをするか、自分でボールを持って突破を図ります。
ディフェンス時
ディフェンス時、特に自陣ゴール前のポイント付近では、激しいタックルで相手のFWを押し返す必要があります。
また、機動性に優れたナンバーエイトは相手の状況に合わせてポジショニングを調整し、ディフェンスラインに穴を開けないようにしなければなりません。
ラックやモールでの激しさだけでなく、冷静に状況を見通すクレバーな判断力が重要なんですね。
まとめ
いかがだったでしょう。
FWの花形、ナンバーエイトの魅力は伝わったでしょうか?
最後にナンバーエイトについてのまとめをしておきましょう。
ナンバーエイトの基礎知識
- ナンバーエイトはスクラムの最後尾に位置する
- FWの花形でチームの精神的支柱!
- 世界標準の体格は身長190cm、体重110kg
- スクラムからサイドアタックをしかけるなど、攻めの起点となる
- パワー、スピード、ハンドリング、状況判断能力、あらゆる面で高い能力が要求される
代表的なナンバーエイトの選手
アマナキ・レレイ・マフィ(Amanaki Lelei Mafi)
言わずと知れた日本代表のNo.8。現在はスーパーラグビーのレベルズでプレー中。
2015年W杯の活躍から、Japanese tylant(暴君)などと称された。
NTT時代のチームメイトからは、「フィジカルモンスター」と呼ばれるなど、恵まれた身体能力を持つ。
キアラン・リード(Kieran Read)
NZ代表、オールブラックスのNo.8を務める選手。
高校生時代からスポーツ万能で知られ、ニュージーランドのラグビー協会がクリケット協会と取り合いをしたほどの身体能力を持つ。
あいつなら何とかしてくれる!キャプテンが一番多いポジション!
必要な能力もかなり高いから、チームの中でみんなが一目置くような選手がなることが多いな。
実際、キャプテンが一番多いポジションなんやで。