あまりラグビーに馴染みがない方、最近初めて興味を持った方などを対象に記事を作成しています。

画像参照:grape
フルバックに求められる役割は多い
フルバックは15人の中で最後尾にポジショニングしていることもあって、求められる役割も多いポジションです!
ディフェンスとオフェンスで分けて細かく見ていきましょう!
広いグラウンドを1人で守るディフェンス力
やはり最後尾に位置するだけあって、ディフェンス力は欠かせないスキルです。
ディフェンス力と一言とまとめてしまってもあまりよくわからないので、さらに細かく見ていきます!
フルバックの最重要能力はキック処理!
バックスラインより後ろの広大なスペースを1人でカバーしなければならないフルバックが1番気にしなければならないのは相手チームからのキックです。
通常、相手チームからのキックに対応することを「キック処理」と呼んでおり、フルバックにとってキック処理能力は最も重要な能力の1つと言っていいでしょう。
キック処理は相手チームからのキックをキャッチすること、そしてその後の動きの一連のプレーのことを指しています。
キック処理を時系列に並べると以下のような流れになります。
- 相手チームからのキックをキャッチする
- キャッチした後、キックし返すか自らランニングで攻撃を仕掛けるか状況を見て判断する
- キックを蹴り返す
- (キックを蹴り返さなければ)自らランニングで攻撃を仕掛ける
つまりキック処理にはキャッチング、キック、ランニング、そして状況判断の4つの能力を兼ね備えていなければなりません。
このキック処理能力はフルバック及び両ウィングで構成されるバックスリーに特に必要な能力だと言われています。
1対1でのタックル
もう一つディフェンスで重要なスキルは1対1のタックルの精度でしょう。
相手チームにディフェンスラインを突破されてしまったら残っているのは最後尾にいるフルバックだけ。
自ずと1対1のシチュエーションが多くなります。
この1対1で相手を止められるかどうかで試合の勝敗が左右されることも多々あるのです。
フルバックが担うオフェンスでの役割
続いてフルバックに必要なオフェンスに関する能力についてお話していきたいと思います!
陣地を確保するためのキック力
キック処理で少し触れた通り、相手チームからのキックをキャッチングした後はキックを蹴り返すという選択肢があります。
そのキックはロングキックやハイパントなどを状況に応じて蹴り分けるのですが、どちらもキック力があればあるほど有効に働きますので、フルバックにはキック力がある方が好ましいと言えるでしょう。
ロングキックであれば陣地を大きく取ることができますし、ハイパントであれば相手選手と競り合ってボールを奪い取れる可能性が高まります。
トライを取ることのできるランニングスキル
フルバックに必要なポイントのもう一点は突破力です!
フルバックは攻撃の際、バックスラインの後ろからエキストラマンとしてアウトサイドセンターの外側などに走り込んでボールをもらい、相手チームの空いているスペースでの突破を試みる場面が少なくありません。
狭いスペースで自ら突破を試みるのか、それとも自らトライまで持っていくのか、はたまた相手選手を引きつけてパスをするのか、すべてはフルバックのランニングスキルがあってこそ!
特にフルバックは後ろから攻撃に参加するため、動きの自由度が高いゆえにより選手自身のランニングスキル次第でトライに繋がるかどうかに懸かってくるのです。
トップリーグの注目フルバック

画像参照:JIJI.COM
五郎丸歩選手(佐賀工業→早稲田大学→ヤマハ発動機ジュビロ(レッズ、トゥーロン))
再びヤマハ発動機ジュビロに帰ってきた五郎丸選手は注目しておきたいフルバックの1人!注目を浴びたコンバージョンキックの成功率の高さはもちろん、フィールドでのキック力と精度、そして外国人選手にも劣らない体格を生かした突破力など、どれを取っても一級品と言えるでしょう。ジャパンラグビーのレベルを更に引き上げるために五郎丸選手にはまだまだ活躍してもらいたいですね!

画像参照:J SPORTS
松島幸太朗選手(桐蔭学園→サントリーサンゴリアス(レベルズ))
南アフリカ出身でジンバブエ人の父を持つハーフの松島選手は日本人離れしたバネを持っており、そのランニングスキルには目を見張るものがあります。体格はそれほど大きくないのですが、自分よりも大きな外国人選手を確実に倒すそのタックルの精度も随一で、2019年W杯はフルバック、もしくは別のポジションで必ずや日本代表を引っ張っていってくれると確信しています!

画像参照:東海大学湘南校舎体育会ラグビーフットボール部
野口竜司選手(東海大仰星→東海大学)
2017年6月のルーマニア戦とアイルランド戦とのテストマッチ、合計3試合でフルバックとして先発出場した野口竜司選手はまだ東海大学の現役大学生。しかしそのプレーたるやベテラン選手並みの落ち着きで安心して見ていられるほどの安定感。アイルランドとの第一戦では自らアイルランド選手のタックルを外してトライをするなど、ポテンシャルは計り知れません。他にも多数ライバルがいるフルバックではありますが、2019年W杯では確実に日本代表として名を連ねる選手だといい切れるでしょう!