ラグビー日本代表に海外国籍の選手が多い理由と代表資格について


日本代表には外国人選手が多い?

「五郎丸ポーズ」が大流行するなど、前回のW杯の日本代表の大活躍や日本で開催されるW杯の影響でラグビーを楽しまれる方も増えたかと思います。
しかし、日本代表のラグビーの試合を観ていてこんなことを思ったことはありませんか?

「なんでこんなに外国人がいるの?」

南アフリカを破った伝説の試合の終了直前、ラストプレーでの劇的な逆転トライを決めたのもヘスケスという外国人選手でした。

  • なぜラグビーでは、外国人選手が多く認められてるの?
  • そんなに外国人ばかりで日本代表って言えるの?
  • 母国に帰って母国代表になっちゃったりしないの?

この記事では、こうした疑問にお答えすべく、「日本代表に外国人選手がたくさんいる理由」を中心にわかりやすく解説します。
最後に2019年ラグビーワールドカップ日本大会でも活躍してくれそうな「日本国籍を取得した外国出身ラグビー選手」もご紹介しますので、お楽しみに!

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15人制ラグビーの代表資格の条件とは?

読者の皆さんにとってまず気になるのは「公式ルール上、外国人選手が他の国の代表になっても良いのか?」ということでしょう。

答えはもちろん、『YES』

ワールドラグビーの定める15人制ラグビー(日本で言うところの、いわゆる”普通のラグビー”)の代表資格を定めた公式ルールをかいつまんで説明すると、以下のようになります。

外国人選手の代表資格の条件

外国人選手がその国の代表資格を得るためには、「他国での代表歴がない」ことが前提で、かつ、次のいずれかの条件を満たすことが必要です。

  • 出生地が当該国」または、
  • 両親または祖父母のうち一人が当該国出身」または、
  • 当該国に36ヶ月以上継続して居住している

上記の条件を満たしていれば、基本的には日本国籍が無くても日本代表になることが出来ます
また、これ以外にも国籍取得を前提とする例外的な規定もあります。

2020年から必要居住期間が3年から5年に

ただし、最後の条件である「当該国に36ヶ月(3年間)以上継続して居住している」ことという条件は、2020年12月31日から、60ヶ月(5年間)に延長されることが決定しています。

現代ラグビーでは昔と比べて各国のリーグ間で多くの外国人選手が行き来するようになりました。
そのため、縛りをきつくしすぎない範囲で、より密接に当該国に貢献している選手に代表資格を与えたいということでしょう。

2019年のW杯日本大会には直接関係ありませんが、海外リーグで今後活躍したい選手にとっては気になるところでしょう。

日本以外でも外国籍の選手は当たり前

当然ではありますが、外国籍の選手の代表参入は、ラグビー弱小国(だった)日本だけに許された特別ルールではなく、国際的に統一されたものです。

日本代表の外国人選手は、身近な母国代表であることや、日本人の選手の中にあって身体的に目につきやすいというだけで、世界最強の呼び声高いオールブラックスことニュージーランド代表ですら、外国籍のスター選手が存在します。

ですから、国際色豊かな代表同士が戦うということが、ラグビーというスポーツの特徴であると言えます。

日本代表は外国人選手の割合が多い?

ただ、「日本代表は外国人選手の割合が多いのでは?」と思われる方もいるかもしれません。

確かに、外国籍の選手と日本に帰化した外国出身の選手が、出場選手15人中10人を占めるという試合もありました。

これは、日本人の体格等の身体的特徴がラグビー向きではないことに起因していること、国内でのラグビー人口が他のスポーツに比べて少ないことが原因と言えます。
ニュージーランドなどラグビーが長く愛されている国では、国内の選手層も厚く外国人選手の割合も低くなります。

そんな状況で世界の強豪と戦って結果を残す必要がありますから、外国人選手を多く起用するというのも、ある意味では仕方がないと言えるでしょう。

外国籍の選手も紛れもない日本代表!

そうは言っても、やっぱり外国籍の選手を素直に応援できないという方もいるのではないでしょうか?
ですが、彼らは非常に重い決断をした上で日本代表になるという選択をしています。

一度、日本代表になると母国では代表になれない

上記でも述べましたが、一度でもどこかの国での代表歴があると別の国で代表選手となることはできません。

つまり、一度でも日本代表となる道を選んだ以上、母国の代表となることが出来ないということです。
思い入れのある母国代表のユニフォームを着るチャンスを完全に絶ってしまうというのは、その選手のラグビー人生の中でも非常に重い選択といって良いでしょう。

日本を選んでくれたことに感謝と敬意を

もちろん、選手によって様々な事情はあるのだと思います。
「単純に日本が好きだから」という選手もいれば、「母国では代表になる機会に恵まれなかったから」という選手もいるかもしれません。

それでも、数ある国の中から日本代表を選び、桜のジャージに袖を通すことを決意した選手に、日本のラグビー経験者として感謝と敬意を持ちたいと思います。
そして、外国籍であろうとなかろうと日本代表の選手として応援したいと考えています。
(あくまで私個人の意見ですので、意見の異なる方に強要するものではありませんが)

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日本国籍を取得したラガーマン

それでは、最後に日本代表にラグビー人生をかけ、名実共に日の丸を背負って闘う、日本国籍を取得した外国出身の選手たちを何人かご紹介します!

ブロードハースト・マイケル

ニュージーランド→日本(2017年)

南アフリカ戦でも体を張って活躍したブロードハースト選手は、リコーブラックラムズフランカー。 日本国籍を取得後、登録名を「マイケル・ブロードハースト」から「ブロードハースト・マイケル」と変えたそうです。

一度は代表引退宣言をしたものの、日本代表新チームと、まだ小さな子どもを抱える家族の状況さえ許せば復帰も無くはないと語っています。

気迫溢れるボールの争奪戦を繰り広げる勇姿を、もう一度日本代表で観たいものです!

トンプソン・ルーク

ニュージーランド→日本(2010年)

近鉄ライナーズ所属のロックであるトンプソン・ルーク選手は、2015年を含め、ワールドカップ出場3回の歴戦の雄。
大阪弁ペラペラで地元ファンから愛される彼も、2015年に一度は日本代表の引退を表明しますが、その後も何度か代表戦に呼ばれ、活躍しています。

世代交代も叫ばれる日本代表ですが、すでに30代後半ながら『トモさん(トンプソンの愛称)』からまだまだ目が離せません。

ヘンドリック・ツイ

ニュージーランド→日本(2014年)

現在、サントリーサンゴリアスに所属するフランカー、ヘンドリック・ツイ選手。
スーパーラグビーのレッズでも活躍する彼は帝京大学時代から怪物っぷりを発揮。
フォワードの特攻隊長として暴れまわり、2009年度の大学選手権では帝京大学の初優勝に貢献しました。

ちなみに、その時の決勝の相手、東海大学には後の日本代表の木津武士、リーチ・マイケルらが名を連ねており、その東海大を破って勢いに乗った帝京は、2017年までに大学選手権9連覇を達成する「常勝軍団」として日本の大学ラグビー界に君臨しています。

ヴァルアサエリ愛

トンガ→日本(2014年)

パナソニックワイルドナイツに所属するプロップ、ヴァルアサエリ愛選手。
奥様からもらったという愛という可愛らしい名前に似合わず、スクラムの最前列で気を吐くタフガイ。

彼も学生時代(正智深谷高校)から日本でプレーしています。
日本代表キャップはまだまだ少ないものの、今後の日本ラグビー界を背負っていってくれることでしょう。

リーチ・マイケル

ニュージーランド→日本(2013年)

言わずと知れた日本代表の闘将、ナンバーエイトを務めるリーチ・マイケル選手。
2015年W杯後は一時日本代表から距離をとるも、現在では戦線復帰し「2023年フランス大会にも出たい」と、その意欲は衰えないようです。

大のコーヒー好きで自身の所属する東芝の練習グラウンド近くにカフェをオープンさせ、高校時代(札幌山の手高校)を過ごした札幌や母国ニュージーランドへの”逆輸入”も目論んでいるそうです。

ラグビーは「選手のアイデンティティがどこにあるか」を重視します

おーつき
「法律上の国籍」ではなく、「選手のアイデンティティがどこにあるか」を重視するラグビーの伝統、おわかり頂けたでしょうか?
たーじ
疑問点や素直に応援できない気持ちが少しでも解消するお手伝いになっていればいいなと思います。
おーつき
冒頭で述べた南アフリカ戦勝利の立役者カーン・ヘスケスも、日本国籍こそ持っていませんが、大の日本食好きで特にうどんが大好物なのだとか。
たーじ
日本代表の外国籍、帰化した外国出身の選手には、日本食や日本の文化を愛してくれている選手が多くいます。 そうした意味でも、日本の代表として応援したい気持ちが湧いて来ますね。