
今回はラグビースパイクの選び方について解説していきます!
ラグビーのギアの中でも、選び方に失敗するとダメージが大きいのが『スパイク』。
合わないスパイクを選ぶとパフォーマンスも落ちてしまいますし、最悪、怪我にも繋がります。
しかし、一口にスパイクと言っても、様々なメーカーから様々な種類のスパイクが出ているため、初心者の方にはどれを選んで良いのかわからないかと思います。そこで、今回は自分にぴったりのスパイクの選びのポイントを3つにまとめてお伝えします!
目次
ラグビースパイクの選び方その1:ポジションに最適なスパイクを選ぼう
ついて来てやった俺に感謝しろよー。
金属がくっついてるのと靴裏自体が飛び出してるのとがある。
スパイク選びのポイントその1は、ポジションに合ったスパイクを選ぶってことだからな。
取り替え式スパイクについて

取り替え式スパイクは、靴底にネジ式のスタッド(ポイントと呼ぶことも)が取り付けられています。
練習や試合などでスタッドがすり減ってきたら、新しいスタッドに取り替えることが出来るため、「取り替え式」と呼ばれます。

スタッドの数は、一番オーソドックスなもので片側8個、合わせて16個です。しかし、スタッドの位置と数にも種類があり、片側7個、合わせて14個のスパイクもあります。どれがいいかは一概に言えないので、試着をしてしっくりくるものを選びましょう。
取り替え式のスパイクは、固定式よりも踏ん張りが効くため、スクラムの中心になるFWの1〜5番のタイトファイブの選手にオススメです。
固定式スパイクについて

固定式スパイクは、靴底の一部分が飛び出すような形でスタッドが形成されています。
こちらは、取り替え式とは違い、ネジ式ではないのでスタッドを取り替えることが出来ないため、「固定式」と呼ばれています。

経済的でないように聞こえますが、取り替え式よりもスタッドがすり減るスパンが長いので、スパイク自体の寿命はほぼ変わりません。
固定式は、取り替え式より軽量なのが特徴で、スピードが重要な第3列の選手やBKの選手にオススメです。
また、サッカースパイクと同じ仕様なので、サッカースパイクとして販売されているものを使用しても問題ありません。このため、デザインの幅が広いことも固定式スパイクの魅力のひとつです。
これも何か種類があるみたいだけど、これは何が違うんだ?
じゃあ、一緒にスタッドの違いも解説してやるよ。
スタッドの種類について
取り替え式のスタッドには3つのタイプがあります。
値段的にはほぼ変わりませんが、引っかかりやすさや重さなどが異なるので、それぞれ簡単に説明しておきましょう。
アルミ製スタッド
金属のアルミ製のスタッド。一番ポピュラーでスパイク購入時にはだいたいこれが刺さっています。
重いですが、その分、地面によく刺さり踏ん張りが効きます。

また、このようにまとめ売りされていることも多いので、経済的なのも嬉しいところ。

メリット
- 一番、地面に刺さりやすく踏ん張りが効く
- 100個など、まとめ売りされているので買いやすい
デメリット
- 重い
ナイロン製スタッド
ナイロン製のスタッド。樹脂製のものもあります。
アルミ製に比べると軽いですが、深い芝のグラウンドや雨の日などは地面に刺さりづらく、滑ることもあります。

メリット
- アルミ製よりも軽く、スピードが活かせる
- 固定式スパイクよりも地面に刺さりやすい
デメリット
- グラウンドの状態によっては地面に刺さりづらい
コンビスタッド
アルミ製の芯の周りをナイロンで覆ったタイプのスタッド。「スティールトップスタッド」となっている商品もあります。
ちょうど両者の中間の性能をしています。

メリット
- アルミ製ほど重くはない
- ナイロン製よりも地面に刺さりやすい
デメリット
- アルミ製より、少し踏ん張りが効きづらい
- ナイロン製よりは若干重い
やばい、何だかこんがらがってきた・・・。
しゃーねぇなぁ。全部まとめるとこんな感じだ!
スパイクの種類とポジションごとのオススメまとめ表
どのスパイクを選ぶかは個人の自由ではありますが、ポジションによって役割が違うため、最適なスパイクも異なってきます。
特に初めて選ぶ時は、下の表を参考にポジションに合わせて選ぶと良いでしょう。経験を積んでくれば、自分のプレースタイルに合わせて別の種類のスパイクを選ぶこともできるようになってきますよ。
スパイクの種類 | スタッドの種類 | 特徴 | オススメポジション |
---|---|---|---|
取り替え式 | アルミ製 | 一番、滑りにくいが、最も重い | タイトファイブ(PR、HO、LO) |
コンビ | 滑りづらく、アルミ製スタッドより少し軽い。 アルミ製とナイロン製の中間の性能 |
FW全般(PR、HO、LO、FL、NO8) | |
ナイロン製 | 取り替え式では一番軽い。引っかかりは固定式より少し良い程度 | FWの第3列(FL、NO8)、CTB | |
固定式 | なし(固定) | 最も軽く、スピードを活かせる。サッカースパイクでも代用可 | FWの第3列(FL、NO8)、BK全般(SH、SO、WTB、CTB、FB) |
※二箇所以上に記載のあるポジションはどちらでもOKです。
ってことは、俺はウイング(WTB)だから、とにかく「固定式スパイク」を選べばいいってことか!
まぁ、あくまで目安だから、慣れてくれば、そんなに気にすることもないけどな。
けど、スクラムが重要なタイトファイブが固定式のスパイクを試合で履いてるのは見た事ねぇな。
謙信、俺これにするわ。早速、レジ行って買ってくる!
スパイク選びのポイントその2は、必ず実際に履いてから選べ、だ!
ラグビースパイクの選び方その2:スパイクは実際に履いて選ぼう!
ラグビースパイク選びでよくある失敗としては、「友人に勧められた」「有名選手が使っている」といった理由で、実際に履きもせずにスパイクを選ぶ場合です。
「友人が使っているから」「有名な選手が履いているから」「多くの選手が使っているモデルだから」といって、そのスパイクがあなたの足にフィットするとは限りませんよね。(もちろん、お店で実際に履いてみて、自分に合っているなら問題ありませんが)
足の形は人それぞれ
足の形というのは、人によって千差万別。
たとえ足のサイズが同じでも、甲の高さ、足の幅、指の長さ、土踏まずの大きさ、など、様々な要素によって、スパイクの履き心地は人によって違います。実際に試し履きをして、自分にとって履き心地の良いスパイクを選びましょう。
メーカーによってサイズが変わる
普通の靴でも同じですが、ラグビースパイクもメーカーによって形やシルエットが違います。
同じサイズでもメーカーが異なると大きな差が出ます。また、同じメーカーでも幅広のモデルや甲が高いモデルなどもあるので、実際に履いて確認しましょう。
気に入ったスパイクはメーカー、品番、サイズを控えておこう
もし、実際に履いてみて気に入って、次回以降も同じスパイクを注文したい!という時は、「メーカー」と「品番」「サイズ」を控えておけば、次回以降は通販サイトなどで簡単に購入できるようになります。
ラグビーを続けていくのであれば、定期的に購入する必要があるので、自分のお気に入りのスパイクを見つけておくと便利です。
いくらスパイクのデザインが気に入ったって、足に合わないんじゃ仕方ねぇって話だ。
んー、しかも他のサイズは売り切れてるみたいだし、他のを探すか・・・。
最後の3つ目のポイントはスパイクは「履き心地・機能・値段」の基準で選べ、だ!
ラグビースパイクの選び方その3:基準は「履き心地・機能・軽さ」
ここからは、ラグビースパイクを選ぶ時の3つの基準について解説します。
スパイクで一番重要なのは履き心地!
ラグビースパイクを選ぶ時に、一番重要なのが「履き心地」です。
どんなに機能的で格好良いスパイクでも、自分の足に合っていないと、「靴擦れ」や「捻挫」といった怪我の原因になります。また、合わないスパイクを無理して履き続けると、膝や靭帯に悪影響が出る可能性もないとは言えません。しっかりとお店で試着して、違和感がないか確認しましょう。
軽さや機能も色々!自分に必要なものを見極めよう!
次にスパイクの機能にも注目してみましょう。
ラグビースパイクは日々進化しており、軽量化やクッション性、耐久性向上、雨に強いなど、様々な機能があります。ただ、これらはあくまで付属的なもので、履き心地の良さを上回って機能を重視して選ぶほどではありません。
例を挙げると、スクラムの前列を務めるプロップをしていた筆者の場合、スパイクのつま先部分から破れてくることが多かったので、練習用のスパイクにはつま先部分が補強されたものを使用していました。ただ、その分、全体が重くなってしまうため、試合にはカバーのないスパイクを使用していました。
履き心地を最優先にし、「こんな機能があればいいな」くらいの感覚で選ぶと良いでしょう。
スパイクは消耗品!値段も考えよう
最後に、押さえておきたいのは価格の話です。
ラグビースパイクの価格帯はだいたい6,000〜20,000円程度です。
しかし、当然一回買えば永遠に使えるというものではなく消耗品です。部活で毎日使用したとすると、1足が持つのは3〜6ヶ月程度。一年で2〜4回程度、買い替えが必要になる計算です。年間の費用にすると、12,000円〜80,000円と決して小さくない差になってしまいます。
無理せずに買い替えていけるような金額のスパイクを選ぶと良いでしょう。なお、足に合わなければすぐに買い替えが必要になるので、履き心地よりも値段を優先するのは間違っています。我慢して履いていても、ダメになるのが早くなる場合も多いですしね。
高いから良い!というわけではない
覚えておいていただきたいのは、高いから良いとは限らないということ。
確かに、高い方が軽量化されていたり、機能的だったりはしますが、MIZUNO、アシックス、PUMAなど、大手メーカーが技術革新や価格競争をしていますので、安くても良い製品はたくさんあります。参考までに、筆者は8,000〜1,2000円くらいのスパイクを買うことが多かったです。
オーダーメイドも万能ではない
履き心地を追求するのであれば、「足型を取ってもらったオーダーメイドでスパイクを作る」という方法もありますが、やっぱり値段は高くなってしまいます。
また、私自身、オーダーしたことがあるのですが、オーダーメイドでも違和感があることがあります。納品後に微調整をしてもらうのが難しいこともあり、その後は、スポーツショップで既製品を何足も試着して選ぶようにしました。
これから一緒に戦うチームメイトだからな!
ジャージとかは統一だから仕方ねーけど、自由に出来るところは目立ちたいっしょ!
試着だけはしっかりしとけよー!
最終的には個人の好み!自分の気に入ったスパイクを選ぼう!
スパイクの選び方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
今回はあくまで初心者の方に選び方の目安を知ってもらうための内容です。
スパイクを選ぶ最終的な判断は個人の好みでいいと思っています。(英須が最終的に見た目で選んでいるのもOK)
WTBの人が取り替え式のアルミ製スタッドのスパイクを履いても問題ないですし、スクラムを問題なく組めるならプロップが固定式スパイクを履いても問題ありません。(見たことはありませんが)
ただ、購入前の試着だけはしっかりすることをお忘れなく!
今回お伝えしたポイントを押さえて自分にぴったりのスパイクを探して、良いラグビーライフを楽しんでください!
キャラクター紹介

隼 英須(はやぶさ えいす)
能西高校1年のオープンウイング(背番号14番)。中学時代に全国陸上で100mで3位になった俊足の持ち主。ラグビー部監督熱田にスカウトされラグビー部に入部。2段階に加速する走りを武器にエースを目指す。

設楽 謙信(したら けんしん)
能西高校1年のブラインドサイドフランカー(背番号7番)。中学時代からラグビーをしている気の良いお調子者。ジャッカルやターンオーバーが得意。良いプレーの後に浮かれてミスをすることが多いのが玉にキズ。
二人が活躍する能西高校ラグビー部のお話はこちらから