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第6節 豊田自動織機シャトルズ 対 神戸製鋼コベルコスティーラーズ
この日の神戸製鋼は日本人選手が奮起しました。
まず、先制トライはこの人、キャプテンのSH日和佐篤選手。ポイントサイドから抜け出したNO8ソシセニ・トコキオ選手に反応すると、ソシセニ選手からのパスを態勢を崩しながらもキャッチして、倒れこむようにトライ。コンバージョンキックは、SOダン・カーター選手が危なげなく決めて3-7とします。
前半11分、豊田自動織機のSHジョノ・ヒッキー選手が、ハイパントを競り合って、ジャンプした神戸製鋼の井関信介選手と交錯。これが危険なプレーとしてシンビン、イエローカードで10分間の一時退場となってしまいます。
この好機を見逃さない神戸製鋼は数的有利を活かして、SH日和佐選手、FB山中亮平選手のトライで6-21とし、豊田自動織機を引き離します。
しかし、何とか食らいつきたい豊田自動織機は、SHジョノ選手が戻ってきた前半27分、WTBシオシファリサラ選手が神戸製鋼のロングパスをカットしてそのまま50mの距離を走りきってトライ。その前のペナルティゴールと合わせて、16-21と神戸製鋼に追いすがります。
神戸製鋼に漂い始めた嫌な空気を断ち切ったのは、またもこの人、SH日和佐選手。
サインプレーで抜け出したCTBアダム・アシュリークーパー選手からパスをもらうと、相手のタックルを受けながらもインゴールに転がり込み、本日3つ目となるトライを奪います。
これで一気に流れは神戸製鋼に。
前半終了間際の36分、38分には、井関選手と交代で入ったWTB清水晶大が連続トライを奪うなど、16-42という大差で前半を折り返します。
後半12分、神戸製鋼は自陣22mライン付近から仕掛けます。
裏通しのパスで豊田自動織機のDFラインを撹乱し、抜け出したのはWTBアンダーソンフレイザー選手。ゴール直前で相手にジャージを掴まれてしまいますが、オフロードのパスにFB山中選手が走りこんで、本日2本目のトライ。
さらに、神戸製鋼のゴール前の猛攻に耐えられず、LOケイデン・ネヴィル選手が反則の繰り返しでイエローカード。その直後に7人となったスクラムを押し込まれ、スクラムトライを許してしまいます。さらに豊田自動織機10mライン中央付近のスクラムから、ブラインドサイドを攻められるも対応が追いつかず、 WTB清水晶大も本日3つ目となるトライを挙げます。
豊田自動織機もNO8ソシセニ・トコキオ選手やSOサム・グリーン選手らのトライで反撃しますが、時すでに遅し。
ダン・カーター選手だけじゃない、日本人選手だけで9トライを奪う大奮起で、1位勝ち抜けに向けて神戸製鋼が大きな一勝を上げました。
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第6節 パナソニック ワイルドナイツ 対 リコーブラックラムズ
前半4分、最初にチャンスをものにしたのはリコー。
ライン際のポイントからスタンドがボールを受けると、スタンドの後ろにで控えていたサポートに見えた選手二人が外に開いてボールを受けます。このトリッキーなサインプレーでパナソニックのディフェンスラインを崩すと、WTBロトアヘアアマナキ大洋選手が一気にゴール前までボールを運びます。出てきたボールにトップスピードで走りこんできたのは、リコーの頼れるNO8松橋周平選手。相手を弾き飛ばしながら先制トライを奪います。
しかし、首位を走るパナソニックも反撃。
前半14分、ゴール前のラインアウトからモールと見せかけて、5mライン内側を攻める意表をつくサインプレー。最後に飛び込んだのは、キャプテンのHO坂手淳史選手。キックも決まって7-5と逆転します。
お互いに1トライずつ取り合って12-12とした前半終了間際。
リコー陣内に攻め込んだパナソニックは、ポイントから出たボールを飛ばしパスでCTB松田力也選手に渡すと、松田選手は全力で詰めてきたリコーディフェンスをあざ笑うかのようなタップパス。最後はWTB福岡堅樹選手がライン際にトライ。17-12として前半を折り返します。
しかし、ドラマはここから。
後半開始直後、先ほどトライしたばかりのWTB福岡選手がキックオフのボールを競りに行った際に、ジャンプした相手に働きかけてしまい、危険なプレーとしてシンビンでイエローカードを受けてしまいます。前半のいい流れを引き継ぎたかったパナソニックに暗雲が立ち込めます。
人数的な有利を活かしたいリコーは、グラウンドを大きく使うと、パスを受けたのはFL武者大輔選手。パナソニックPR稲垣啓太選手のタックルを受けながらもトライを奪い、17-19と逆転に成功します。
しかも、最後のPR稲垣選手のタックルが危険なタックルとして、またもイエローカード。パナソニックにとっては苦しい時間帯が続くことに。
数的不利な状況でのこれ以上の失点は何とか防ぐことができたものの、反撃の機会が作れないパナソニック。
後半32分には、交代で入ったリコーのFLコリン・ボーク選手にトライを奪われ、17-26と射程圏外に逃げられて勝負あり。
今期初めて敗北したパナソニック、ホワイトカンファレンス首位陥落です。強豪から大きな一勝をもぎ取ったリコーは、嬉しい優勝トーナメント進出を決めました。
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第6節 NTTコミニュケーションズシャイニングアークス 対 トヨタ自動車
NTTコムのSOガース・エイプリル選手のペナルティゴールで先制されたトヨタ自動車ですが、直後の前半4分、すぐさま反撃に移ります。
キックオフ後のキックの蹴り合いで、トヨタのFBジオ・アプロン選手がハイパントを蹴り上げると、何と自らこのボールをチェイス。キャッチした選手にトップスピードでタックルに入って倒すと、すぐさま立ち上がって相手ボールを奪うお手本のようなジャッカルを披露。この隙を逃さず、すぐさま左サイドに展開すると、最後はCTBイェーツ・スティーブン選手がトライを奪います。
その後、続けて2トライを奪われますが、前半20分、相手陣内22mラインのスクラムから、CTBマレ・サウ選手が目の覚めるような勢いの突進。相手のDFが怯んでできたスペースに走りこんだのは、WTB岡田優輝選手。15-12とします。
さらにお互い1トライ1ゴールを決めて迎えた前半38分。
打ち返しのパスにいい角度で走りこんだのは、またもWTB岡田選手。相手と足がもつれて一度つまづくものの、もう一度立ち上がると、サポートに入ったPR三浦昌悟選手とLOレニエル・ヒューゴ選手とともに、相手DFをインゴールまで押し込んで2トライ目。22-26として前半を折り返します。
後半に入っても、WTB岡田選手の勢いは止まりません。
後半11分、ライン際でボールを受けると、相手DFをひとりジャンプでかわし、続けて来た二人目のタックルを受けながら3トライ目。
続く17分にもWTBヘンリー・ジェイミー選手が1トライをあげて22-38と、勝負は決まったかと思われました。
しかし、後半27分LOカール・ウェグナー選手が不当なプレーでイエローカードを受けると風向きが変わります。
人数有利を得たNTTコムは一気に攻めかかり、後半29分にはスクラムトライ。後半33分には、ゴール前の連続攻撃から、SH湯本睦選手のパスダミーからトライを奪われ、36-38と2点差にまで迫られてしまいます。
自陣でのペナルティすら許されない状態となったトヨタですが、数的不利も解消してからはプレーも安定。
何とか2点差を守りきって勝利。2点を争う好ゲームに試合後は両チームの選手が抱き合い、集まったファンも大満足な一戦となりました。
これでトヨタ自動車は優勝トーナメント進出決定。NTTコムは最終節に望みをつなぐこととなります。
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その他の第6節の試合結果
その他のトップリーグの試合は、キヤノン対ヤマハは17-52でヤマハが危なげなく勝利。
東芝対クボタは24-26で接戦の末、クボタが東芝を降しています。
NEC対日野は38-12でNECの勝利。
コーラ対ホンダは31-52でホンダが勝ち。
サニックス対サントリーは18-40でサントリーが勝利しています。
現時点での優勝トーナメント進出決定チームは?
現時点で、5位以下のチームと勝ち点5以上離れているチームは優勝トーナメント進出が決定となります。
レッドカンファレンスの状況は以下になります。
チーム名 | 6節終了時点での勝ち点 | 状況 |
---|---|---|
神戸製鋼 | 25 | 優勝トーナメント進出決定 |
トヨタ自動車 | 22 | 優勝トーナメント進出決定 |
サントリー | 21 | 優勝トーナメント進出決定 |
NEC | 14 | 未定 |
NTTコム | 14 | 未定 |
豊田自動織機 | 12 | 未定 |
日野 | 6 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |
サニックス | 0 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |
ホワイトカンファレンスの状況は以下です。
チーム名 | 6節終了時点での勝ち点 | 状況 |
---|---|---|
ヤマハ発動機 | 24 | 優勝トーナメント進出決定 |
パナソニック | 22 | 優勝トーナメント進出決定 |
リコー | 19 | 優勝トーナメント進出決定 |
クボタ | 18 | 優勝トーナメント進出決定 |
東芝 | 12 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |
キヤノン | 12 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |
ホンダ | 9 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |
コカ・コーラ | 0 | 入れ替え戦トーナメント進出決定 |